日本人や特に、日本の機関投資家は金融商品の価格が上昇しなければ儲からないと思っているが、それは違う。値段が動きさえすれば上昇しようと下落しようと、利益は上がるのだ。

藤巻健史『藤巻健史の資産運用大全』(幻冬舎新書)

生保などの機関投資家も「預かった資金すべてを、何かに投資しなくてはいけない」と思うから価格の下落相場に弱い。たとえば集まった資金の90%は現金等に置き、10%を証拠金として使い、国債先物を売ったり、プットオプションを買えばいいのだ。または金利スワップの固定金利の払いでもよい。それらの利益で、預かった資産全体に十分な配当が出来る。

為替も金利もこの数年間、ほとんど動かなかったがゆえに、ボラティティーが低く、プレミアム(オプション料)は安い。だからこそお買い得だともいえる。

そこまでのデリバテイブの知識がない方は、米国の債券ベアファンド(長期金利が上昇する=長期債の値段が下落する、と利益が上がる投信)、例えばDirexion Daily 20+ Year Treasury Bear 3X等を買えばいい。日本の証券会社で買える。その基礎は『藤巻健史の資産運用大全』(幻冬舎新書)をお読み学習していただければ幸いだ。原理がわかっていない商品を購入するのは考えモノだからだ。

最後にお願い

ちなみに以上のアドバイスに沿って行動するか否かは、くれぐれも自己責任でお願いいします。プレジデントオンラインの原稿料ぽっちで(プレジデント社さん、すみません)皆さんの損の責任はとれません。「儲かっても、お歳暮の一つもくれず、損したら大声で非難」に私は慣らされていますので。

あくまでも「損すれば自己責任、儲かれば藤巻の貢献」の原則をお忘れになりませんよう。「信じれば救われるのか」、はたまた「信じれば足を掬われるのか」は、将来、判明するのです。

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