苦手なことを避ける人はチャンスを捨てている

とくにこの場合、上司から「できる」ことを期待されて仕事を任されています。上司は、あなたがその仕事ができそうだと思って頼んでいる可能性もあります。依頼に応える努力も勇気といえます。

鈴木颯人『潜在能力を100%発揮する方法』(KADOKAWA)

どうしても不安なら、仕事を受ける前に「苦手だと思って今まであまりやったことがありません。やり方を教えてもらえますか」「はじめてなのでご指導いただけるとうれしいです」といった言葉を添え、依頼相手からコツを引き出しましょう。

実際にやってみて「思ったより簡単だった」「できるようになっていた」と気づけば、しめたもの。自分の新たな一面との出会いです。

あるいは予想通り散々な結果だったとしても、「できないことが再確認できた」ことは収穫です。その場合、もしかしたら「この上司は見る目がない」と思いたくなるかもしれません。一方で、「できないと決めつけずにチャレンジさせてくれる人なのだ」とも解釈できます。

苦手意識を口実にチャレンジを避けてきたことは誰にでもあると思います。しかし、思い切って取り組んでみると、思った以上に違う世界が開けます。

「向き・不向き」は自分で決めつけないこと。実際に試してから判断しても遅くはありません。

情報を集めてコツがわかれば失敗は最小限で済む

2つめの共通点は、「失敗の積み重ね方がうまい」ことです。

先ほど、「思い切ってチャレンジしましょう」とお伝えしましたが、潜在能力を発揮するうえでは、チャレンジする際に「失敗を最小限に抑える」ことも大切です。回り道は極力避け、着実に経験を積み上げる方向に舵を切りましょう。

ポイントは「前例」を調べることです。チャレンジしたいと考えていることの前例や、それに似た取り組みが過去にないかリサーチします。

企画の仕事に就いている人であれば、過去、先輩が提出した企画書や採用になった企画書を調べます。他にもインターネットや書籍で調べたり、上司や同僚、友人に相談したりする方法が考えられます。

情報を集めていると、「こうやったら、うまくいきそうだな」などと、スムーズに進めるためのコツが見えてきます。

ここまで準備をしてチャレンジすれば、大失敗の可能性はかなり低いはず。仮に失敗したとしても、最小限の被害にとどめられるはずです。「チャレンジ」と、それに伴う「小さな失敗」をくり返すことで、実体験に基づいた向き・不向きのジャッジができるようになります。「ここさえ気をつければ、それなりの成果は出せそう」といった自信も生まれるはずです。

野球選手(バッター)の例で言えば、細かいバッティングの技術を一つずつ試していき、「これは使えるな」「自分には合わないな」と判断していくイメージです。