老後資金づくりのラストチャンス

「人生100年時代」到来によって、50歳はもはや壮年ではなく人生の中間点で、次の50年を見据えたお金との付き合い方が焦眉の急です。逆説的に言えば、50代にも充分な残存時間があって、立派な資産形成世代なのだという前向きな意識改革をすべての50代に求めたいところです。

相応に預貯金があっても、自ら納得出来るそれなりに豊かな人生を100年スパンでまっとうしたいならば、ゼロ金利で富を産まぬお金を、リターンを産むお金に置き換える必要があるし、いわんや50代になるまで宵越しの金を持たぬ人生を送ってきた人たちにとっては、老後資金づくりのラストチャンスであるとの自覚も不可欠です。

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50代貯金ゼロの人への処方箋

50代金融資産無しの人は、これから気合を込めた本気の長期投資が必定です。と言っても不可能なことでは決してありません。ヤング世代なら毎月1万円からスタートすることをおすすめする積立投資ですが、50歳から始める長期資産形成は最低でも毎月5万円の積み立て実践を肝に銘じて、根気強く続けてください。

急に5万円もの拠出は無理と言うなかれ。余力がないならば現状生活のダウンサイジングは不可避です。都会の中心部の住居を郊外に移す。大型自家用車を中古の軽自動車に買い換える。赤ちょうちんの回数を半減させる等々、本気を出せば50代なら帳尻をつけられるはずなのです。このコロナ禍で、在宅勤務の推奨や大勢での会食を控える動きがある中、上記のような生活のダウンサイジングは、これまでより実行しやすくなっています。

毎月5万円なら、非課税制度の「iDeCo」と「つみたてNISA」を両方活用すれば、非課税枠内のみで投資することも可能です。