富裕層は相談料を提示すると「そんな金額でいいんですか?」と驚く
富裕層は、自分が価値のあると感じるものに対して、それに見合った対価を払うことに躊躇がない。端的な例を言えば、筆者が相談料を事前に提示して、「え? そんな金額でいいんですか?」と驚くのは、富裕層だけだ。それ以外の普通以下の収入の人は、顔のどこかに「あぁ、やっぱりけっこうかかるんですね」という気持ちが出てしまう(もちろん、それが普通の感覚だ)。
富裕層はちゃんと自分のニーズや状況に合ったオーダーメイドな情報を知りたいと考えている。そのためには、有料であっても、FPに相談をして「最適解」を探りたいと望む。逆に言えば、費用がかからない「無料」の情報にはあまり意味や価値を感じていない。
一般的に、富裕層は、銀行や証券、保険、不動産など、さまざまな金融機関からの‘口撃’に日々さらされている。無料相談会や無料セミナーなどに参加したとたん、頻繁に、電話や訪問を受けることになり、契約せざるを得なくなったという話もよく聞く
まさに「ダダより高いものはない」ことを熟知している方が多いのも富裕層だ。この金融リテラシーの高さが富裕層とそうでない者の差なのかもしれない。そして、「富裕層になること」よりも、「富裕層であり続けること」の方が格段に難しい。
FPの認知度が高いが、相談には意味を見いだしていない人がほとんど
世の中の大多数の人は、お金を出してFPにアドバイスをしてもらうことに関して価値を感じていない。
少し前のデータになるが、楽天インサイトが「ファイナンシャルプランナー(FP)に関する調査」(2009年7月)を全国の20~69歳の男女計1000人を対象に実施した。
これによると、「FPという名称は聞いたことがある」(42.7%)、「何をする資格なのか、だいたい知っている」(34.5%)など、FPに対して一定の認知度があることは認められる。
しかし、FPに相談したい内容について、「相談したいと思わない」が39.0%で、トップになっており、その理由として、「相談したいことがないから」(51.8%)。続いて「費用(相談料)がいるから」(27.9%)が挙がっている。
そして、FPに支払ってもいい1時間当たりの相談料は、「3000円未満」(38.2%)が最も多く、次いで「有料なら相談しない」(36.4%)になっている。
調査当時から年数が経過した今は、意識に多少の変化はあるかもしれないが、基本的には「無料なら受けてもいいけど、有料ならやめとく」という感じだろう。