忙しいだけか、ストレスに潰されそうなのか
「あれ、あの人、最近ちょっと変だな」と思った経験が、あなたにもあるのではないでしょうか。ただ単純に忙しいだけなのか、それともストレスに潰されそうになっているのか、その見分け方と対処法について解説します。
人は、環境に適応しきれない時や、自分が許容できる以上のストレスを感じる状態が続くと、「心」「身体」「行動」に反応する症状が現れてきます。本人がわかりやすいのは「身体」に出る身体症状で、わかりにくいのが「心」に出る精神症状です。また、周囲から一番わかりやすい、気づきやすいのが「行動」に出る症状です。
遅刻、早退、欠勤、ミスが増えるのはサイン
ストレスによる行動の症状は、以下のものが一般的です。
・衝動買い
・お酒やタバコの量が増える
・過食、拒食
・登校/出社拒否
・ひきこもり
職場では、遅刻や早退、欠勤が増えたり、集中力が低下してミスを多発したり、仕事の結果を出すのに時間がかかるため時間外労働や休日出勤が増えたりします。いわゆる「ほうれんそう(報告、連絡、相談)」が減ったり、職場での仲間との会話が少なくなることもあります。
これらの症状は、職場でも家庭でも、知っていればあなたの周囲の人を助けるきっかけになり得る点で、重要なポイントです。
「お医者さんに行けば?」は絶対ダメ
では実際に、そのような変化に気づいた場合、まわりの同僚はどのように対処すればいいのでしょうか?
職場の同僚や部下に対して「最近ちょっと変だな」と感じたなら、「ちょっといいですか。いつもと違うけれど、どうしたの?」と、さりげなく声をかけるとよいでしょう。
決して、「メンタルかもしれないから、お医者さんに行けば?」などとは言わないでください。上司や人事部だけでなく、同僚から「医者に行け」と言われるのは、多くの場合本人にとっては非常にイヤなことだからです。あくまでも、見た目の変化を指摘する程度に「ちょっと心配なんだけど……」と聞いてみるのが無難です。あるいは産業医やカウンセラーのいる会社であれば、「ちょっと相談に行ってみたら?」と声をかけるのもよいかもしれません。