彼女は「オール・ライブス・マターとあと一度聞いたらもう我慢できない!」と怒りをあらわにし、「好きか嫌いかは別として白人には特権がある。貧乏だろうが苦しんでいようがこの社会で白人というだけで優遇される。肌の色のおかげで黒人が持っているような不安を抱えて生きる必要はない。それがまさに特権だ。もし全ての命に価値があるなら、なぜ黒人が殺され、移民が迫害され、白人以外にはないチャンスを得ることができるの?」

写真=筆者撮影

このインスタへの投稿には650万もの「いいね」がついた。

こうした「白人の特権」に関する論争はむしろ問題への理解を深めようとするきっかけにもなっている。子ども向け番組「セサミストリート」は、CNNと組んで子どもたちに白人の特権を教える番組を制作した。

テイラー・スウィフト、BTSなども続々と参加

今回注目すべきもう一つは、多くのセレブリティから大企業までがこぞって活動に賛同していることだ。

(写真=筆者撮影)

ビヨンセやJay Zなどの黒人アーティストらは以前からブラック・ライブス・マター運動に賛同してきたが、多くは人種差別に反対の立場であっても、あえてそれを打ち出すことは少なかった。しかし今回はセレブたちも一般人と同様、こみ上げる思いをストレートにぶつけている。

自ら抗議デモに参加し、関連団体への寄付を盛んに呼びかけるアリアナ・グランデ、トランプ大統領の対応を痛烈に批判するテイラー・スイフト、ジョージ・フロイドはじめ警察暴力の犠牲になった黒人の家族に約2億円を寄付したカニエ・ウェスト、そして前出のビリー・アイリッシュ、運動への1億円の寄付を表明した韓国のグループ・BTSなどなど数多くのアーティストが運動に参加していて、若者への影響は計り知れない。

また映画「スター・ウォーズ」の俳優ジョン・ボイエガはロンドンの抗議運動でのスピーチが大きな話題を呼んだが、これに対しルーカス・フィルム、製作を担うディズニーも「彼はヒーローだ」と絶賛している。

政治的発言が大勢のフォロワーに影響か

これら若いセレブの多くは、これまでに反トランプの発言をしている者が少なくない。

例えば、ツイッターで8600万人のフォロワーを持つテイラー・スイフトは今回の件で「白人至上主義者と人種差別を煽り続けた上に、今度はデモに対し力による制圧を奨励するあなたを11月の選挙では絶対に落選させる」とコメントし、これまでのツイートで最大の200万以上の「いいね」がついた。

同じく、この春トランプに批判的な発言をしたセリナ・ゴメス(インスタのフォロワー数は約1億8000万人)は、自身のポストでブラック・リーダーたちを紹介している。特に若い有権者への影響力を自ら知るセレブリティたちの動きが、11月の大統領選にどんな影響を与えるのかも注目される。