処方目的だけのオンライン診療では患者の不利が続く
通常の医療機関にコロナウイルスの患者さんを収容していったことで、流行収束後も終わることのない大問題が増幅している。コロナウイルス以外の患者さんの治療の大幅な制限と遅延が続いている。
また、集中治療室(ICU)の退院できないコロナ陽性患者さんを解決する方法はない。他の人命を救えない危機が長期間続くことを意味する。ICUでは、たくさんの機材を人体につなぎ少ないスタッフで複数の患者さんをモニターしている。そのため、ICUは仕切りを設けないフラットな作りになっているので感染対策しようにも物理的限界がある。
外来でも困ったことが起きている。患者さんが、「隣の人はコロナかもしれない」と必要な受診もためらってしまうのは自然なことだ。すでに子供たちのワクチン接種の遅延が現実となっている(※14)。処方目的だけのオンライン診療や電話再診では、診察が行われず採血や心電図、エックス線検査(いわゆるレントゲン)もできないため患者の不利が続くことになる。こういったことは報道されない。
多くの医療機関は「コロナ患者受け入れの継続」は不可能
保険診療はギリギリ以下の経営を医療機関に強いてきているので、これ以上経費削減ができない状況だった。病床回転率の低下と外来患者数の激減で総合病院からクリニックまでどの医療機関も倒産の危機に直面している。コロナ患者さんの準備のため数多くの患者さんの治療をあきらめるという代償が大きすぎるため、多くの医療機関は受け入れを継続することは不可能だろう。物理的に隔離された専門医療機関を作らなければ、補助金だけでは解決にはならない(※15、※16)。
何としてもコロナウイルスから医療者を守りたいなら、多少なりとも治療可能性のある安価なイベルメクチンをなぜ医療機関に配備しなかったのか今でも疑問に残る。少数の人間で決定し、医療者を応援と精神論に終始してしまい必要なことを広く議論する場が他の医療者に設けられなかったことは不思議な話だ。
克服すべき2つ目は、私たちの課題だ。
メディアが大合唱しても、これからは「本当なの?」と自分で考えることにしよう。人命がかかっているということを言われることで思考が停止してはいけない。交通事故で失われる人命は1人おおよそ数千万円だ。対策によって救われた人命と45兆円に上ったコロナ被害を天秤にかける必要があるだろう。もし、また違うウイルスが流行したら都市封鎖して再度45兆円の被害を負担するのか。あるいは地震など違う危機がきたら、さらに予備費を上乗せするのか。
メディアは日本人のナイーブで情緒的な性質を熟知していたからこそ人命をとりだして思考停止にし、効率的に恐怖をあおって視聴率を稼ぎつつ国民を誘導したと思う。人命のもとに国民が国民を監視する自粛警察まで出現させることに成功した。
次に、今後メディアが行うことを予想してみよう。