コロナ禍を連想させる『ペスト』がランクイン

カミュ『ペスト』(新潮社)

最後にご紹介したいのが第6位『ペスト』です。1947年に発表された小説ですが、物語の設定とあらすじが、今回のコロナ禍の状況を連想させるとして、大きな話題になっています。

本書で描かれるのは、疫病と戦う人々が織り成す群像劇です。舞台は「194*年」のアルジェリアの商業都市、オラン。ペストが蔓延し、都市は完全にロックダウンされ、人々の往来も途絶えてしまいます。閉じ込められた空間で次々と死んでゆく人々。まだワクチンもできていないという状況の中、どのように振る舞うべきなのか。

単純に小説として読んでも非常に興味深いですが、現実のシミュレーションとして読んでも、さまざまな教訓を得られます。今の時代に、もっとも読むべき小説といえます。

今月は、先月第7位だった『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』が、最も多く読まれるという結果になりました。また『人は話し方が9割』(第17位)も、3カ月連続で月間ランキングに入っており、注目度の高さが伺えます。今後はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

関連記事
要約サイトで人気だった「4月のビジネス書」ベスト20
驚愕の結果…アベノマスク、中華マスク、お洒落マスクの効果を測定してみた
コロナ休校で、ゲームとYouTube漬けになりそうな子どもをどうするか
新型コロナウイルスの感染が拡大しても満員電車がなくならない理由
子どもに「なぜ勉強しないといけないの」と聞かれたら、お金持ちの親はどう答えるか