週末だけの副業でも「フリーランス」の仕事だ
最近よく耳にする言葉だが、その定義はあいまいだ。例えば、平日は会社員として働き給与所得を得て、土日はブライダル撮影の仕事をして、その副業収入(雑所得)を自宅のローンの支払いに充てているという人(Aさん)がいたとしよう。
Aさんに職業を尋ねると「平日はサラリーマンをしているんですけど、土日はフリーランスでブライダルの撮影の仕事をしています」と答えるのではないだろうか。
当初、Aさんのように雑所得として申告しているフリーランスは、持続化給付金の対象外とされていた。5月22日の政府の発表でようやく、そのようなフリーランスも持続化給付金を受け取れることになった。
だが、Aさんは、当初から支給対象になるべきだと考えられていたと思われる。前述の持続化給付金申請規程の第1章では、わざわざ「フリーランスを含む」と書いている。副業のフリーランスの人は、事業所得ではなく、雑所得で確定申告をしている場合が多い。規程ができた時点で、第1章と第3章の内容の整合性がとれていなかったのではないだろうか。
経済産業省は、持続化給付金の支給を発表し、5月1日から申請の受付を開始した。支給額は、中小企業は最大200万円、個人事業主は最大100万円。使い道は自由だ。
わかりにくい経済産業省の回答文章
「国民一人一律10万円支給については非課税なんだから、持続化給付金も当然非課税だよね」と思われたかもしれないが、そうではない。
経済産業省のHPには、持続化給付金に関するお問い合わせのページが設けられている。
・持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に制約のない資金を給付するものです。これは、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的には課税対象となりません。
この回答文章。課税の対象になるのかどうかの回答に前段の文章は必要だろうか。もし、必要なのであれば、後半の文章は、“なので、今回は、非課税となりました。”の方がしっくりいくと思うのは筆者だけだろうか。
益金より損金が多ければ結果的に非課税となるという話なので、状況によっては課税対象になることもあるだろう。「収入金額に計上していないと、3年後、税務調査があった際、必ずチェックされますよ!」ときちんと申し添えるのが親切といえるかもしれない。
Q8.算出方法における売上とは何か。
・詳細は申請要領に記載していますが、確定申告書類において事業収入として計上するものです。収入の総額から経費等を差し引いた利益ではありません。また、不動産収入や給与収入、雑所得等は含みません。
と回答しているにもかかわらず、前述のとおり、梶山経済産業大臣は雑所得や給与所得の人も給付金の支給対象とすると発表した。