「怪我の間」にトレーニングをした選手は強い
この状況を怪我をした状態と捉えてみるとよいかもしれない。怪我からの復帰後に良い成績をおさめる選手のほとんどは、怪我の間に地味だけれども競技力向上のために避けては通れないトレーニングを行っている。具体的には体幹トレーニングや、股関節や肩甲骨周辺の動きだ。1カ月でもやり切るとかなり動きは変わってくる。中心部の動きがほんの少し変化するだけで末端の動きは劇的に変わる。普段はそんな地味な練習は避けてきた人には特にいいチャンスだ。
新型コロナウイルスによる影響は、自分だけに降りかかっているわけでもなく、日本だけでもなく、世界中に降りかかっているものだ。この状況でパニックになって本来やるべきだったことから目をそらし、心が揺れ勝手に脱落していくアスリートもいる。クライシスでは番狂わせがおきやすい。クライシスは賢さや勇ましさより、愚鈍さが有利になる局面とも言える。