衝撃的な退団劇だ。楽天が11月24日、田中将大を来季の保留者名簿に記載しないことを発表した。
自由契約選手として公示されると、同日の夕方に田中が自身のYouTubeチャンネルを更新。今季限りでチームを退団することを報告し、「メジャーから仙台に戻って一緒にプレーができて本当にうれしかったです。イーグルスで日本一になりたい一心でプレーしてきました。この4年間でその目標がかなわず本当に残念です。来季はどこでプレーするかというのは、まだ何も分からない状態ですけど、今の自分はいいコンディションでいいトレーニングを積むことができています。結論が出た時に、またこの場で自分から皆さんの方へご報告させていただきます」と感謝の思いと今後の方針を語った。
電撃退団の背景に何があったのだろうか。
石井一久シニアディレクターによると、契約交渉の中で今季の推定年俸2億6000万円から減額制限(年俸1億円超えは40%)を超える大幅な減俸額を提示して交渉が成立せず、田中が自由契約扱いを望んだという。スポーツ紙デスクは、こう指摘する。
「大幅減俸に納得できないから退団を決めたというだけの話ではないと思います。球団のビジョン、自身の置かれた立場など、いろいろ考えて楽天との別れを決断したのでしょう。ただ、他球団移籍となれば。来季年俸は5000万円以下の大幅ダウンも覚悟する必要があります。実績は申し分ないですが、今年のパフォーマンスを見たら厳しい評価にならざるを得ない」
球界を代表する右腕であることは間違いない。楽天にドラフト1位で入団すると、高卒1年目から11勝をマークするなど先発で稼働。13年には24勝0敗1セーブ、防御率1.27と圧巻の成績で、楽天を球団初のリーグ優勝、日本一に導いた。最多勝、最優秀防御率、沢村賞をいずれも2度受賞。翌14年にポスティングシステムで名門・ヤンキースに移籍して6年連続2ケタ勝利をマーク。WBC、五輪にも共に2度出場して国際舞台で輝きを放った。