マクドナルドは歴史的にテイクアウトに強みがある
マクドナルドは、1937年、マクドナルド兄弟によって創業されますが、1店舗目はドライブインとして開始されます。その後、40年に、店舗を移設し、“カーホイップ”という店の周り360度に車を停めて、そこに従業員が注文を取りに来るドライブイン形式を採用します。マクドナルドは設立当初は座席のないお店としてスタートしたのです。
55年、現マクドナルド創業者のレイ・クロックがフランチャイズ化を提案したことから世界的な拡大をすることになりますが、簡単なイートインスペースが導入されたのは68年とだいぶ後のことです。
日本にマクドナルドが上陸したのは、71年ですが、東京・銀座に出店した日本1号店もテイクアウト専門店からスタートしています。その後、77年に日本初のドライブ・スルーを導入し、他社の事業モデルに影響を与えます。
マクドナルドの不景気に強いビジネスモデル
競合に当たるモスバーガー、ロッテリアやフレッシュネスもテイクアウトやUber Eatsを活用していないわけではありませんが、マクドナルドのテイクアウトの歴史は長く、消費者心理として店外飲食はマクドナルドというイメージが刷り込まれていると考えられます。
実際、Uber Eatsの配達員が331件配送したうち、102件がハンバーガーであり、そのほとんどがマクドナルドの配達というデータも公表されており、他に追随を許さないデリバリー需要の高さです。
今回のコロナによる営業自粛の中においても、マクドナルドの業績が堅調な背景には、成長を加速するための取組みとしてデリバリーを近年でも位置付けていたこと、古くから子供をターゲットとしたマーケティング戦略の採用、そして企業の創業からテイクアウトを始めていたことがあります。“ローマは一日にしてならず”とはいいますが、マクドナルドの不景気に強いビジネスモデルはその好例ではないでしょうか。