客単価の増加に成功した鍵とは…
マクドナルドの2020年3月第1四半期決算を見てみると、前年第1四半期の売上高688億円に対して、当期四半期は722億と約+34億円の増収。一方で、営業利益は、前年同期は83億円、当期は77億円で約マイナス6億円の減益です。
それではなぜ、マクドナルドは客単価の増加に成功したのか、また、どうして増収にもかかわらず減益となっているのか。その理由は、デリバリー需要の増加です。
マクドナルドなどのファストフードは、もともとテイクアウト需要が高い業種です。19年9月にマイボイスコムが実施した「ファストフードの利用に関するアンケート調査(第9回)」によると、ファストフードの利用シーンの上位に“テイクアウト”がランクインしています。
学校休校の追い風、デリバリーが爆増
元々の需要に加え、コロナの影響でデリバリー需要はさらに高まっています。20年3月におけるGoogle Playのフード関連アプリのランキングを見ると、1位がマクドナルド、12位がマクドナルドモバイルと、デリバリーや事前注文によるテイクアウトができる同社アプリが上位にランクインしています。
その他、Uber Eatsは前年同月+191.7%と、そのユーザー数を急激に伸ばしています。マクドナルドでは、Uber Eatsを成長領域における重要な外部パートナーと位置づけ、提携店舗を前年同期から123店舗増やし現在641店舗となっています。
外出自粛の生活の中、保育園・幼稚園や学校も休校となり、家で家族と過ごす時間が長くなっていることもマクドナルドにとっては追い風です。同社では、1960年代から子供をターゲットにしたマーケティング戦略に力を入れています。当時、子供は購買力を持たず、顧客ターゲットになり得ないと考えられていた中、マクドナルドでは、子供が家族をどこに連れていくかの決定権を持っていることに気づきます。