立ち上げにあたり、これまでの文脈をガラッと変えるためにも参画する企業には妥協しませんでした。

一流企業にお声がけし、博報堂DYメディアパートナーズ、テレビ朝日、コナミアミューズメント、サイバーエージェント、セガサミーホールディングス、電通、U-NEXT、今シーズンからはKADOKAWAが加わり、8社が参画しています。

また、メインスポンサーになってくれたのは大和証券です。大手金融ですから、立ち上げたばかりのMリーグで、負のイメージもある麻雀のメインスポンサーになるというのはリスクもあったかと思います。

実際、普通はスポンサーになったらその競技の歴史や格式にあやかるものですが、現在はまだ、大和証券の長年築き上げた信用とブランドにMリーグが育ててもらっている段階だと思います。それでもMリーグの理念に賛同してくださり、スポンサーについて応援してくれたことに本当に感謝しています。

ちなみに大和証券も麻雀が強い人が多いです。大和証券グループ前会長の鈴木茂晴さん(現日本証券業協会会長)の日本経済新聞「私の履歴書」を読んでいたら、昔から大和証券がいかに「よく働きよく遊ぶ」社風だったのかがわかりました。おそらく麻雀も相当やってきたのでしょう。

証券業がリスクとリターンを計算し、期待値の高いほうを選択するという、麻雀と似ている面があるからなのかもしれません。

ただ皆さん相当お忙しい中麻雀を楽しんでいたのか、東風戦などの短い時間で決着がつくようなルールを好まれます。そのあたりも生き馬の目を抜くような業界だった名残なのかもしれません。

川淵三郎氏に協力を持ちかけた瞬間

朝日新聞社にも、Mリーグのセミファイナル、ファイナルシリーズのスポンサーになっていただいています。同様に、朝日新聞の信用とブランドにMリーグがお世話になるような段階なのに、初年度から理念に賛同し応援してくれていることに大変感謝しています。

eスポーツの文脈でMリーグを立ち上げる前、麻雀プロの世界は、将棋や囲碁と肩を並べるようになることが目標であり悲願だったようです。

朝日新聞がMリーグのスポンサーにつくことが発表されたとき、時代が変わった、感無量だと喜んだベテランの麻雀プロが数多くいました。棋界は多くのタイトル戦を主催する新聞社の支援なくしては存立しえないものだと思います。長年、麻雀プロの世界を良くしようと頑張ってきた人たちが、そこに一歩近づいたような達成感を持ったのでしょう。