同性に好かれる人には「人間力」がある

まずは私が面接官として見ているのは、「同性に好かれる力」についてです。

異性に好かれるのは、テクニックやスキルなのですが、同性から「彼は本当にいいヤツなんですよ」「あの子は女の子同士でも人気」といわれる人は、間違いなく人間的魅力を持ち合わせているからです。ですので、社会に出てからも活躍できる人材になっていくというのが私の見解です。

私が長らくこの業界で働いていて、たびたび思うことがあります。それは、社会で活躍する人の究極は、やはり「人間力」だということです。

どんなに経験や能力があっても、人に好かれない人は活躍できない。つまり、経験や能力が不足していても人間力があれば、社会で活躍できると私は踏んでいます。その人間力として、私がもっとも重視しているといっても過言ではないのがこの同性に好かれる人かどうかです。

なぜ、同性に好かれる力が社会に出て必要なのでしょうか。私は男性なので、まず男性に好かれる男性について考えてみましょう。

例えば、皆さんのまわりにイケメンで女性には優しいからモテるけど、気づくと何人もの彼女と付き合っている、と男友達に自慢している男性。あるいは、女性の目ばかりを気にして、同性にはまったく無関心な男性がいませんか。こうした男性はやはり社会に出て活躍できる可能性は極めて低いといえます。

異性は「テクニック」でごまかせる

もちろん、女性も同じです。男性の前では「気が利く女」を演じるものの、女性の前では愚痴や陰口ばかりたたいていて嫌われている女性などなど……。

つまり、そこに異性には見えないテクニカルな部分があるとするならば、逆に同性からの視点で「彼はいいヤツだ」「あの子はいい子だね」と仲間内が認めている人というのは人間的にいい素材を持った人、すなわち私が考える同性に好かれる人は人間力があるという根拠なのです。

ですから、面接ではそうした素材を探るために、交友関係を意図的にどんどん突いていきます。

「どんなコミュニティに属しているか?」「どのくらいの人数がいてどんなことをしているのか?」「年齢の幅や、その中でどんな立ち位置にいるのか?」など聞くようにしています。それによって、その人がどんな人間関係を築いているかが明確に見えてくるのです。

また、複数のコミュニティに身を置いていればいるほど、同性に人気があるということもわかります。なぜなら、同じコミュニティの人とばかりつきあっている人というのは、そこだけでの人気かもしれないと疑いを持つことができるからです。