「所得」は10種類に分けられる
企業と雇用契約を結びそれに基づいて働いていることが、主たる業務になっている場合、ここで扱う「本業」はこのタイプになるだろう。所得の区分でいうと給与所得が主な収入源という人だ。収入が給与のみの場合は原則、確定申告をする必要がない。
月曜日から金曜日までは会社に行って働いているが、土日や就業後の時間を使って収入を得ている場合、この部分が「副業」となる。ここで確認しておくべきことは、「副業」はあくまで「副業」ということだ。
所得税を計算する際、まず所得の種類を区分しなければならない。所得の種類は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10に区分されている。
本業が給与所得の人の場合、「副業」は上の10種類のうちどの所得になるのか。
「『副業』は『業』という文字がつくので、事業所得かな?」と思われただろうか。早合点すると、後で痛い目に合う可能性があるから要注意だ。
その副業は「事業」なのか
そもそも事業とは何か。広辞苑で調べてみた。
2、一定の目的と計画とに基づいて経営する経済的活動。
では、所得税法では、どのように書かれているのだろうか。国税庁のHPには、事業所得について下記のように書かれている。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
【国税庁HPより引用】
「副業」と一口にいってもその業態は様々だろう。誰が見ても経営をしていると見てとれるというのであれば、所得の区分は事業所得でよいだろう。だが、経営といえるほど大げさなものではないとしたら、10種類の所得のうちのどの所得になるのだろうか。