2019年の年末、高収入を得ている人が持つ“高収入遺伝子”が発見されたことが科学誌に発表され、話題になりました。収入は努力次第ではないのでしょうか。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/hyejin kang)

“高収入遺伝子”の発見

「先天的なブ男でも後天的な努力で勝ち取れるのがお金もち。だとしたら、私の選び方(お金持ちを選ぶ)が、より公平な評価だと思わない?」昔流行ったドラマの主人公が言ったセリフです。

この内容への感想はさておき、収入は努力次第、というのは果たして真実でしょうか?

実際、多くの人は、“収入は、遺伝子が関わっているわけではなくその人の努力によるもの(資産家など特殊な場合を除く)”と思っているはずです。ところが、遺伝的要因と収入の関連性については多くの研究がなされており、その関連性が示唆されています。

そして、ごく最近、Nature CommunicationsというNature Publishing Groupが出している影響力のある科学誌に、“約29万人のゲノムを探索し、高収入に寄与する149個の遺伝子座を発見した”ことが発表されました。つまり高収入を得る人は、高収入遺伝子を持っていたというのです。