確定申告の不明点は税務署に聞けばよい

では、「副業」をしている人は、確定申告のやり方などについて誰に相談すればいいのだろうか。「副業」を始めたからといって、お金を払って税理士に相談しているという人は少ないのではないだろうか。必ず儲かるかどうかもわからないのに、税理士に対する支払いが発生するというのも合点がいかないだろう。

実は、国税庁では、記帳指導を行っている。

帳簿のつけ方がわからないときには、お気軽に最寄りの税務署の個人課税部門(記帳指導担当)にお尋ねください。
なお、税務署では、事業所得等を有する白色申告の方に対し、記帳に関する説明会を開催し、記帳・記録保存制度の概要や具体的な記帳の仕方等についての説明を無料で行っています。

【国税庁HPより引用】

そもそも国税庁は、行政サービスを司る機関だ。税務調査をすることだけが仕事ではない。税務署に問い合わせをするのは、ちょっと勇気がいるかもしれないが、やり方がわからないときは記帳指導のサービスを利用してみるとよいだろう。税務署から依頼を受けた税理士が自宅まで来て、丁寧に指導してくれるはずだ。

今後、働き方改革もあいまって、「副業」をする人はますます増えていくのではないだろうか。国税当局も、「副業」をしている人の確定申告のガイドライン等を示す必要が出てきていると思う。

いずれにせよ、確定申告は自主申告だ。税理士に助言を求めることはあっても、最後決断は申告する本人なのだ。当然のことだが、自分の経営方針は自分で決めなければならない。

経営方針なんてそんな大層な……。と思われた人もいるだろう。

まずは、自分自身の手で書いた記録を残しておくことをこころがけてはどうだろうか。

調査官の間では「原始記録」と呼んでいるが、領収書、請求書、仕事の段取りを書いたメモなどは、捨てずに保存しておくことだ。

それらの書類はタダの紙切れではない。ヒト、モノ、カネ、の動きを証明しているからだ。「原始記録」から自分の経営の在り様が見えてくるかもしれない。

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