10度を切る「攻め」の超低温水風呂

――4種類のサウナだけでもすごい充実ぶりですが、水風呂も4つあるんですよね。

【太田】はい。普通はサウナが4つあっても水風呂は1つというところが多いですよね。でも、サウナが4つなら水風呂も4つ、そう思って4つ作らせてもらいました。

1つ目は「サンダートルネード」、シングル(10℃未満)の超低温水風呂です。ジェットで水をかき混ぜているため、体感温度はさらに下がります。温度の羽衣をまとわせない。このお風呂に足をつけたときに電撃が走るような衝撃から、この名称にしました。深さも1mあります。既存のビルで、深さを1mにするのはめちゃくちゃ大変なことですが、潜水もできるように頑張りました。

2つ目は25℃の「やすらぎ」。この「やすらぎ」には半身浴のできるベンチもあって、個人的には一番おすすめです。

サウナに入り慣れている人からすると、やや温度が高いと思われるかもしれませんが、サウナ初心者の人は、14℃などはもちろん18℃の水風呂もなかなか入れない。でも、25℃なら入れる。かるまるには、「サウナ入れない」「水風呂入れない」という初心者の人にも、「ぬるいサウナあるよ」「冷たくない水風呂あるよ」と薦めていただけるようにと思って、この温度帯をつくりました。

「水風呂のはしご」がおすすめ

3つ目の「昇天」は、さらに温度の高い33℃のジェット風呂。私は体温よりも高いか低いかで簡易的に温冷を区分していますので、33℃に設定しました。

写真提供=筆者
33℃の水風呂「昇天」

そして皆さんには、この3種類の水風呂を通してシングル(9℃)→25℃→33℃と温度が上がっていく過程、水風呂のはしごをぜひ体験してほしいと思います。そして、外気浴スペースで風にあたり、ととのってください。本当に気持ち良いので。シングル水風呂からのはしごができるのは、日本ではかるまるだけです。

水風呂「アクリルアヴァント」(写真提供=筆者)

また、最後の水風呂「アクリルアヴァント」は屋外にはアクリルでつくった珍しい水風呂(14℃)です。フィンランドでは凍った湖に穴を空けて入ることがあるのですが、その穴のことを「アヴァント」と呼ぶのにちなんで、この名称にしました。

1mの水深があるので、しっかり浸かっていただけると思います。また、夜になるとライトアップされてとてもきれいです。