「サウナは苦手」という人は、そのサウナが「乾きすぎ」なのかもしれない。サウナが大好きという経営者の本田直之氏は「日本のサウナは湿度が低く、本場フィンランドのサウナとはまったく違う。ただし本場に近い施設も徐々に増えている。特に池袋にできたサウナ施設『かるまる』は力の入れ方が半端ではない」と説く――。
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池袋「かるまる」のケロサウナ
日本のサウナは、湿度が極端に低くてオーブントースターのようにカラカラになる設備が多い。筆者は著書『人生を変えるサウナ術』(KADOKAWA)でその点について指摘した。最近のサウナブームで、本場フィンランドのようにロウリュ(熱い石に水をかけ発生する蒸気、またそれを浴びる入浴法)のできるサウナが増えてはいる。とはいえ、そうした施設はまだ全体の1割以下にとどまっているのが現状だ。
そんな中、2019年12月にできたサウナ施設「かるまる」(東京・池袋)は、ロウリュなど本場の設備を踏襲しているだけでなく、水風呂を4つも備え、人気を博している。「かるまる」はいかにして生まれたのか。オーナーの中村一心氏と施設の監修を手がけた“サウナ王”こと太田広氏に、本田直之氏が聞いた。

革新的なサウナ「かるまる」はいかにして生まれたのか?

――「かるまる」をつくろうと思ったきっかけは何だったんですか?

【中村】まずはホテル、その中でも比較的狭い敷地で効率よく回転することのできそうなカプセルホテルをやろうと思っていたんです。ただ、個人的にサウナが好きだったこともあり、思いっきり良い温浴施設もあるカプセルホテルにして、ホテルでも温浴でも収益を上げられるようなものにしたいと思いました。