駅から徒歩30秒という立地の良さ
【中村】池袋のこの物件はもともとだいぶ年季の入ったサウナ施設で、前から「こういうところが借りられたら良いなぁ」と直感的に気になっていたところ、偶然「貸しに出た」という情報が入りまして、すぐに手をあげました。
元の施設がかなり老朽化していたこともあり、「やめたほうがいい」という意見も結構あったのですが、駅から徒歩30秒(!)という抜群の立地の良さと、建物に足を踏み入れた瞬間に感じた「いける」という直感があって。全体のデザインをご担当いただいた橋本夕紀夫さんにも、一目見たときにこの物件のポテンシャルの高さを感じてもらえました。
コンセプトは「人間回帰」と「自分の居場所」
――「かるまる」さんの施設は少し見ただけで並々ならぬ情熱を感じますよね。サウナが4つに対して水風呂が4つあるなど、浴室の種類の豊富さは特筆すべき点だと思います。また、男性専用施設ながら、ザ・ペニンシュラ東京などを手掛けた橋本さんが店舗デザインを担当されていて、全体にスタイリッシュで洗練されている。コーヒーやフードもおいしくて、細かい部分までハイレベルな印象を受けました。ここまでこだわって作られた理由はどういったところにあるんでしょう?
【中村】中途半端なものをつくっても誰も使わないじゃないですか。思いっきり良いものをつくったら、みんな使ってくれるから。ダントツで良くて、ほかには無いものをつくろうと。例えばサウナストーブひとつを取ってみても、ちょっと無理して特注でつくりました(笑)。
でも、やっぱり根底にあるのは「サウナが好き」という気持ち、サウナ愛ですね。
【太田】ちなみに「かるまる」のコンセプトは、「人間回帰」と「自分の居場所」です。やはりみんな忙しい時代に生きていて、ストレスや嫌なことを抱えながら頑張っている。そんな働く男性に対して、都会の中で疲れた自分を癒やし、もとの自分に戻れるような場所、自宅と職場以外に寄ってもらえる“逃げ場(心も体も安らぐ場)”をつくりたいと思って、この空間をつくりあげました。