この財形には「一般財形」「財形住宅」「財形年金」の3つがあり、一般財形は使途の制限なく積み立てを目的としたもの。財形住宅は住宅の購入を目的とした積み立て、財形年金は年金としての受け取りを目的としたもので、満60歳以降に5年以上の年金として受け取りができます。

この財形のメリットは、まず、財形住宅と財形年金の合計550万円から生じる利子等が非課税になる点。さらに財形年金では年金の支払い終了まで非課税措置が継続されます。また、財形住宅の場合、残高に応じた長期かつ低金利の融資が利用できる点もメリットです。勤務先によっては利子補給が受けられることもあり、一般的な住宅ローンよりおトクになるケースも。

財形住宅か財形年金のどちらかを選びたい

一般財形は使途が自由な代わりに、税制優遇がないため、新社会人であれば財形住宅か財形年金のどちらかを選びたいところです。非課税扱いとなるのは2つの合算で元利合計550万円ですが、先に財形住宅で550万円を積み立て、マイホーム購入に伴って全額払い出しをした後、財形年金をスタートさせれば、なんと1100万円を非課税で積み立てることができます。

ですが、財形住宅と財形年金はその名の通り、住宅と年金のために積み立てるものです。そのため、目的外の払い出しをした場合は解約利子が課税されるうえ、その間の非課税で支払われた利子も課税扱いとして追徴されます。

ただし、17年4月から、目的外払い出しの範囲が拡大され、災害等による被害や、疾病のための医療費が一定額を超えた場合などは非課税のまま払い出しが可能。万が一のときでもそのまま財産が残るのは、安心な要素でしょう。

“地味だけど結構使える”。制度は、意外と身近にあるものです。

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