FPがどうしても親に伝えたい「お金の基本」

最近「吹奏楽部の娘が、100万円もするオーボエという楽器を欲しがっているが、買うべきか」という相談を受けました。

ひと昔前であれば、子どもの成長のため、もしくは一流の音楽家になることに期待して楽器を買う親御さんも少なくなかったと思います。

子どもの教育費が高止まりしているとはいえ、今時、新車と同じほどの価格の楽器をポンと買えるご家庭がどれだけあるでしょうか?

こうして楽器を買う前に相談が来るということは、「100万円が無駄になるのではないか」という考えが強くあるからだと思います。

この100万円は、ある意味、子どもへの投資です。景気の動向や将来の先行きに見通しが持てないことへの不安が先行しがちな昨今、確実なもの、すぐ手に入るものを求める傾向は強くなっています。

親以上に子ども世代は将来に対して不安を感じています。私にも中学生の娘がいますが、あるとき「年金ってもらえないんだよね」などと言い出しました。質問ではなく、断言するような口ぶりです。年金制度について丁寧に説明をしましたが、どうも内心は納得していないようでした。