“不易流行”を追求してこそ定番になる

こうして考えると、視界良好な「ウィルキンソン」だが、中長期的には、「飲食の定番になれるかどうか」だと思う。

清涼飲料の世界は、カテゴリーの浮き沈みもある。戦後の高度成長期以降は、例えば「コーラ」「缶コーヒー」「ウーロン茶」「紅茶」「緑茶」などが伸びたり、落ち込んだりしてきた。

現在は「炭酸水ブーム」といっていい状況で、各社から次々に商品が発売されるが、ブームの後には必ず反動がある。一方、ブームによって間口は必ず広がる。その広がった間口、具体的にいえば「炭酸水好き」をどれだけきちんと押さえるかが、今後のカギだろう。

筆者が時々思い描くのが、「消費者はどんどん変わる」(流行)が、「人間の本質はそれほど変わらない」(不易)という言葉だ。「水」も「炭酸」も古くから飲まれてきた飲料だ。それをどう深め、定番化させられるか。商品パッケージには「磨き抜かれた水」とも記されるが、消費者意識と向き合いながら、ブランドの本質を「磨き抜く」ことなのだろう。

関連記事
なぜオッサンは会議用途で炭酸を買うのか
サンマルクがスタバほど支持されない理由
イタリア人が日本で必ずイタ飯を食べる訳
糖質制限にチャーシュー麺やタンメンがいい訳
コンビニの「サラダチキン」を食べるバカ