大学受験は「早稲田」「慶應」で対策法が大きく異なる
最後は、大学受験である。高校入試とは異なり、大学受験は「早慶」とひとくくりで考える受験生は少ないという。なぜか。
前出の予備校講師・田島圭祐氏は早稲田大学・慶應義塾大学でそれぞれ入試問題に次のような特性が見られるという。
「たとえば、国語の入試問題の構成は早稲田と慶應では大きくちがいます。早稲田は現代文に古文、学部によっては漢文が加わります。難度は高いもののいたって標準的な構成といえるでしょう。それに対して、慶應は論文形式の出題が多く、文章の要約や意見記述が中心です。英語については、早稲田はバラエティに富んだ問題が出題されるといわれている一方で、慶應は飛びぬけて難度の高い長文に挑まなければいけません。これだけ入試問題傾向が異なるので、早稲田と慶應を『併願』して受験する子はさほど多くはないですよね」
難化する大学入試、中学・高校受験は検討価値あり
近年、首都圏の大学私立入試は難化の一途をたどっている。現役で早慶に合格するためには、これまでより高い学力が要求されるのだ。その詳細については「中学受験のMARCHシフトが加速する理由」という記事で解説している。
その中で河合塾・現代文講師の小池陽慈氏はこう話していた。
「2016年度からの『定員厳格化』の影響で大学入試が難化しています。数年前であれば現役で早慶に合格できた受験生がどんどん不合格となり、浪人しています。その浪人生たちと現役生たちが熾烈な争いを繰り広げているのです。また難化しているのは早慶だけではありません。GMARCH、そして、日東駒専や女子大なども狭き門になっています」
こうした大学入試の難化を考えると、「わが子を早慶に入れたい」という親にとっては、中学校や高校からの受験を検討する価値はあるといえるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。