慶應義塾ニューヨーク学院は入りやすいが高コスト

それでは、慶應義塾大学の付属校にはこのような「お得校」はあるのだろうか。

慶応義塾大学(写真=iStock.com/mizoula)

慶應の場合、普通部も、中等部も、湘南藤沢中等部も、ほぼ100%エスカレーター式で大学まで進学できるため、合格するのは大変だ。しかし、アメリカのニューヨークにある「慶應義塾ニューヨーク学院」は比較的入学しやすく、大学進学もできる。妹が同校に進学したという慶大の卒業生は言う。

「慶應ニューヨークは、中3~高3までの4年制なんですね。AOを含め年3回の入試があります。倍率は昔より上がっているとはいえ、他の一貫校の高校入試が倍率3倍を越えることを考えると、一定の英語力があったり、経済的に余裕があったりする場合には『入りやすい』といえます。ただ、かなりの出費を覚悟しなければいけません」

聞けば、もし、親の仕事が現地駐在員ではなく、子供だけを送りだす場合、寮費・施設設備費含む学費だけで年間約500万円かかるという。つまり、大学へ入る前の4年間で2000万円、さらに小遣いや渡航費などを含めたらもっと費用がかかることになる。慶應ニューヨーク学院は富裕層や高収入層の家庭の裏技的な選択肢かもしれない。

高校受験は「早慶」とひと括りにして受験する

つづいて、高校受験の早慶付属校の入試日程(2019年度)を見ていこう。

この日程を見ると、男子は各最大3校(帰国生は4校)の、女子は各最大2校(帰国生は3校)の早慶付属(系属)校に合格できる。大手予備校や進学塾の戦略によるが、男子の高校受験生たちは「早慶」と一括りにして受験する傾向にある。つまり、「早稲田のみ受験」「慶應のみ受験」というケースは稀であるということだ。