また、自己肯定感が落ちているときは、瞬発的な幸福感も必要です。そもそも新生活、配属後の不安もあり、ネガティブになっているかもしれません。そんなときは、ほかのちょっとしたことで成果を出してみるのも手です。例えば5分だけ机を掃除したり、好きなオヤツを用意するような小さなことから始めるといい。

仕事である限り、嫌な思いもするもの。自分とは関係ないのに、嫌な思いをすることもあるでしょう。成果主義の時代に、自分への電話以外に出るなんて負担でしかないのは一方で確かです。心理学で目標達成のために用いられるIf-thenプランニングが有用です。つまり、「もし、Aしたら、Bが待っている」と意識すること。それは何でもよくて、今週仕事を終わらせたら、金曜には焼き肉を食べよう。言葉にするだけでも、自己肯定感は上がるのです。

面倒なのは自己肯定感の低下のせい

意義を丁寧に説明し、異なる他者を受け入れてコミュニケーションを取るよう、先輩や上司も感受性を豊かにすること。指導する側の自己肯定感も高くなければいけません。もしこの記事を読んで面倒だと思ったら、それはあなた自身の自己肯定感の低下のせいかもしれません。

「昔は電話に出ろの一言で済んだのに」という思いは、現実から目をそらしているだけではありませんか?

他者と意義を共有して、解決のためコミュニケーションを取る。そんな理解と共感は、現代のビジネスに必要不可欠な要素です。仕事を顧みる機会にしてみてください。

中島 輝
心理カウンセラー
作家。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』など多数。
(構成=伊藤達也 写真=iStock.com)
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