短い会話を積み重ねて人間関係を構築する

イジり上手、愛あるツッコミができる人には、人気者が多いですよね。同じように、上司をイジるのがうまい部下は、上司から気に入られやすいといえます。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/imtmphoto)

実は上司にとっても、コミュニケーション力は課題。イジって会話のきっかけをつくると喜ぶ人もいます。節度を守ったイジりは、人間関係好転につながります。心理学的な背景から4つの根拠をご紹介します。

1つ目は「インフォーマルコミュニケーション」。給湯室やエレベーター内など、ちょっとした時間にする短い雑談のことです。例えば「お疲れさまです」に「息子さん、脚のケガよくなりました?」と一言添えてみましょう。小さな会話を積み重ねると、脳が「この人は大事な人」と思い込み、協力関係や生産性が高まることがわかっています。

2つ目は「選択的注意」。私たちは膨大な情報の中で生活しています。ほとんどはスルーしていますが、自分と関係性の高い情報には注意が向きやすく、印象に残りやすいことがわかっています。例えば、以前のやりとりを持ち出して「◯◯さん、例のあれ、私も試してきましたよ」など、上司に関係のあることを言うと相手の記憶に残りやすくなります。

3つ目は「笑顔」。笑いは本能的な行動で、笑い合うだけで社会的な絆が生み出されることがわかっています。例えば、「お疲れさまです」に「◯◯さん、次はみんなで飲みに行きましょうよ。半年に1回は参加してください」など、何か一言添えて笑い合うだけで、信頼関係を育みやすくなります。

4つ目は「ユーモア」。何気ない冗談で人を笑わせると、相手がいい気分になってチップを弾むというような、人間関係において積極的な行動が起きやすくなることがわかっています。ユーモアに感謝の言葉を添えると、相手に多幸感が生まれ、この人にも何かしてあげたいという気持ちになります。

上司が有頂天になる「イジり褒め」とは

中にはネタにしてはいけない内容もあるので気をつけましょう。例えば身体的な特徴など、本人は自虐的に言うものの、実は気にしていたりします。相手が「馬鹿にされた」と感じるようなイジりはNGと覚えておきましょう。

逆に、褒め言葉とともに上司をイジるのは、大きな効果が期待できます。例えば「実はジムに通っててさ」と言った上司に「本当だ、お腹へっこんでるじゃないですか、もう~!」と大げさに「イジり褒め」をするのです。内心うれしくてニヤニヤが止まらないかもしれません。

最後に注意点を。イジるのがうまくなり、上司からの好感度がアップしたときほど、周囲への配慮も必要です。「あいつだけ気に入られている」と見られ、同僚からの協力が得られにくくなります。無用な反感を持たれないためには、同僚たちの聞き役に徹したり、彼らの心の温度が上がる言葉をかけたりすることです。例えば、同僚が応援するサッカーチームが勝ったとき、「昨日勝ったね」と一言添えてみる。節度と配慮を忘れなければ、ささやかな工夫で、あなたもイジり上手の人気者に。

晴香葉子
心理学者
著作家。メディアでの解説・監修実績多数。著書『人生には、こうして奇跡が起きる』ほか。
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(構成=池田園子 写真=iStock.com)