「会話ドロボー」は飲んでる席では御法度
にわか仕込みで得た知識や教養をひけらかすのは、傍から見ていても聞き苦しいものだが、人が気持ちよく話そうとしているところに割って入り、話を横取りして自分の知識をひけらかす「会話ドロボー」も明らかなルール違反だ。
由美ママは、「いくら情報を知っていたとしても、飲んでいる場では御法度です」と、釘を刺す。
「会話は周りの人とのキャッチボールが大切です。話したいことやすぐに聞いてほしいことがあると話し始めた相手の横から口を挟み、ひょいと話題を盗み取り、盗んだ話題をすべて自分の話にすりかえて、自分が会話の中心に立とうとする人がいます。そんなことをされたら、強引に話し手の立場から引きずり降ろされてしまうわけで、話し手の立つ瀬がありません」
会話ドロボーをやめられない人は、基本的に自尊心や自己顕示欲が強く、「いつでも自分が話題の中心にいなければ気が済まない」「ほかの人が会話の中心にいて楽しげに話しているのが気にいらない」といった性格の持ち主のように思えるという。
「複数の人がお互いに話したり聞いたり、話題や時間を共有するのが大人の会話です」(由美ママ)
知識はあっても楽しい粋な会話ができなければ、その場の空気を読めない無粋な人でしかない。成功者や一流の男が集まり、ハイクラスな宴を繰り広げる場所で遊ぶ資格はないということだろう。
「いろいろ知識を持ってらっしゃるのはわかりますが、上から目線の発言をする人は、女の子から好かれません」と話すのは、学習院大学在学中に起業経験があり、銀座のママとして現在最年少といわれるクラブ「モントレー」の桐島とうかママだ。
「『こんな仕事やってちゃだめだよ』とか『こうしたほうがいいよ』と言う人は苦手です。たとえば、ちょっと派手な露出度の高い服の女の子に『そんな格好してるから就職できなかったんだ。今の時代の身なりはこうしないと受からないよ』などとお説教をされるお客様がいます。ところがその子は、実際に就職できなかったわけではありません。自分のほうが幅広い知識を持っていると思っているからこそ人を諭すのでしょうが、相手にとって踏み込まれたくない領域にまで立ち入るお客様は、女の子たちから敬遠されます」