効く人には効く、漢方薬、養命酒、鍼、サウナ

【3:目のかゆみには冷却目薬、保冷剤】

目にくるタイプの花粉症には目薬を使用することになる。かゆみを克服するコツは、かきたくなる気持ちをこらえて、とにかく冷やすことである。目薬は冷やしておき、さらにかゆくてたまらないときには保冷剤などをまぶたの上から当てておけば、かゆみを紛らわせることができる。風呂などで体温が上昇した時にもかゆくなりやすいが、じっとこらえてシャワーなどで冷水をまぶたの上からあててしのいでほしい。

外出時にはゴーグル型眼鏡で花粉の侵入を防ぐことが効果的である。近年では格安メガネ店が増えたので、数千円で度付きの花粉症眼鏡を購入できる(写真参照、筆者私物)。見た目はあまりスマートとは言えないが、「花粉症眼鏡+マスク」で通勤していると周囲に同情されて労わってもらえるかもしれない。

花粉症対策メガネ(著者私物)
【4:漢方薬が効く体質の人も多い】

体質にもよるが、漢方薬が効くケースもある。漢方でアレルギー治療といえば小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が処方されることが多い。花粉症以外にも喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性の病気を持っているタイプにお勧めである。

一方、概して健康体だが、花粉症で鼻症状だけが強いタイプには葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)だ。かぜ薬でおなじみの葛根湯に川芎(せんきゅう)と辛夷(しんい)を加えたものである。「冬に風邪をひいたときに葛根湯を飲んだらよく効いた」という人向けである。

通販で購入することも可能だが、初回は薬局やドラッグストアで薬剤師や登録販売者に相談してほしい。

【5:人によってはすごく効く、養命酒・鍼・サウナ】

医学的なエビデンスはないが、「(人によっては)すごく効く」という民間療法もある。

例えば、薬用養命酒だ。「効能」は滋養強壮、冷え性、肉体疲労などをうたっているが、医師の中には風邪予防や花粉症対策として飲む者もいる。配合された生薬が免疫力を高める効果が期待できるという。小瓶ならば2000円未満なので、興味があれば試してもよいだろう。

鍼(はり)が効く人もいる。自律神経には、昼の活動時に活発になる交感神経と、夜の安静時に活発になる副交感神経があり、両者のバランスが乱れると花粉症などの不調が現れやすいと言われている。この自律神経のバランスを整えるとされる鍼で、「花粉症が改善された」という患者がいる。花粉症の症状の影響で固くなった肩や首が柔和になっただけかもしれないが、近くに評判の良い鍼灸院があれば試す価値はあるかもしれない。

花粉症対策のためにサウナに入る人もいる。サウナ愛用者は「高温サウナと水風呂を交互に入る温冷交代浴をすることで自然治癒力が高まった」「自律神経のバランスが整った」「花粉症にも効いた」などと話す。利用料は1回数百円なので気分転換がてら試してもよいかもしれない。