言い訳せずにスギを切れ

政府がいよいよ花粉症対策に本腰を入れるようだ。スギ花粉に長年悩まされてきた被害者の私としては、期待が半分、不安が半分といったところだ。

2023年4月14日に首相官邸で開催された「花粉症に関する関係閣僚会議」。農林水産省、環境省、厚生労働省、国土交通省などの関係閣僚が出席したこの会合で、岸田首相は次のように発言した。

「花粉症は、これまで長い間、各省庁で取り組みが行われてきましたが、いまだ多くの国民を悩ませ続けている、我が国の社会問題といえるものです。この問題に対処するためには、関係省庁の縦割りを排し、様々な対策を効果的に組み合わせて実行していくことが重要です」

岸田首相は取り組むべき対策として3つの柱を示した。1つ目は、スギの伐採や植え替えによる発生源の対策。2つ目は、スーパーコンピュータやAIを活用した花粉飛散予報や飛散防止剤の実用化などの飛散対策。3つ目が、舌下免疫療法など根治が期待される療法の普及や花粉症対策製品等の開発・普及による曝露・発症対策だ。

政府はこれらの対策の全体像を省庁横断で取りまとめ、6月発表の「経済財政運営と改革の基本方針2023」、いわゆる骨太の方針に盛り込む予定だ。