鼻の粘膜をレーザーで焼く手術を受ける人も増えている
【6:花粉症の根本治療には免疫療法】
花粉症を根本的に治す方法はないのだろうか? スギ花粉・ダニアレルギー鼻炎については舌下免疫療法が確立されている。少量の原因物質を毎日なめることにより体を慣らせて、アレルギー反応を弱めていく治療法である。早ければ数カ月で効果が表れるが、トータルな治療期間が約3年と、根気が必要になる。
スギ花粉に対しては、従来のシダトレンというエキス剤に加えて、シダキュアという錠剤が2018年に発売開始になった。シダトレンは冷所保存で成人のみ適応だったのに比べて、シダキュアは常温で保管できて小児にも適応が拡大されるようになった。免疫療法の開始は花粉を避けた6月~11月になる。すべての耳鼻科で扱っているわけではないので、あらかじめ取り扱い医療機関をネットなどで調べたうえで受診しよう。
【7:スギ以外の花粉症にも効くレーザー手術】
花粉のシーズンオフに鼻の粘膜をレーザーで焼く手術を受ける人も最近増えている。正式には、下鼻甲介粘膜焼灼術(かびこうかいねんまくしょうしゃくじゅつ)と言われ、レーザーで鼻の粘膜を焼く手術である。手術時間は10~20分程度、表面麻酔を使用するので痛みも深刻ではなく、入院の必要もない。保険適応になるので、3割負担でも1万円程度だろう。
治療時期としては、花粉シーズンの1~2カ月前(スギ花粉だったら1月か2月頃)がお勧めである。あらかじめ取り扱い医療機関をネットなどで調べたうえで受診して、次のシーズンに備えてほしい。
(写真=iStock.com)