▼通勤編
通勤時間がコストになるか自己投資になるかは自分次第
スキマ時間は、スマホで情報収集
高所得者と低所得者では通勤時間の過ごし方にも顕著な違いが表れた。高所得者はスキマ時間を活用して新聞やニュースサイトで情報収集にいそしむ一方、低所得者の約3割が何もしていない。
野呂氏は、「私は毎日、読書をしています。基本的に通勤時間や移動中に、スマホで電子書籍を読んでいます。私にとって移動時間は読書タイムで、むしろ読書時間に移動している感じです」と話す。
理央氏も移動時間などのスキマ時間の活用をすすめる。
「出張や遠めの外出のときなどはルートや時間によって、前日に情報源を全部カバンに入れています。電車や新幹線などある程度長い時間移動するときはビジネス誌や専門誌、本を読みます。一方、地下鉄で5~6分の移動というときにはスマホのアプリで情報をチェックします。1日たった5分でも100日だと500分です。その時間を無為に過ごすのはもったいない。スマホでニュースサイトでも何でもいいから有益なメディアに触れるほうが有意義です」
また、通勤は高所得者ほど出社時刻が早い。
「仕事のデキる人ほど早く出社します。これはモチベーションの違いです。モチベーションが高いと、『ちょっとでも早く行こう』という気持ちになりやすい。また、朝のほうが、仕事がはかどります。ひとりでじっくり考えるような仕事は午前中にやる。午後は眠くなりやすいので、会議やクライアントとの打ち合わせなど会話をする仕事にあてる。そういう自分なりの勝ちパターンをつくることが大切だと思います」(理央氏)
高所得者は残業時間も長い。理央氏は「外資系は特にそうですが、トップ・エグゼクティブをはじめ、デキる人は他の人よりも内容が濃い仕事をしています。パフォーマンスを重視した結果、残業が増えることもあります。これは、残業がよいということではなく、成果につながる価値のある仕事をした結果、残業になったという意味です」と説明する。