▼食事編
稼ぐ人はランチも飲み会もビジネスチャンスにつなげる

多忙でも家族と食事を取る方法

食事に関しては、ランチで大きな差が見られた。低所得者の5割弱が自分または家族が作った弁当を食べるのに対し、高所得者は6割超が外食だった。仕事の一環として社内外の人とランチミーティングをするケースが多いものと思われる。野呂氏も、「私も仕事関係者とのビジネスランチが多いですね」と言う。「その場合は、目的意識を持って仕事の話をします。単なる情報交換ではなく、結果に結びつくようにしています」。

平日の夕食については、低所得者ほど家族と一緒に取る割合が高かった。これは残業時間が短いことの裏返しでもあるだろう。家族と食事ができるのは理想的だが、特に多忙な高所得者は難しいのが現実。そういうときは、中食や宅配サービスを積極的に活用したほうがよいと野呂氏はアドバイスする。

「うちではよく宅配サービスの『Uber Eats』を使っています。いまはいろいろな選択肢があるので、できる限り家事の負担を少なくし、家族と一緒にご飯を食べる時間などをつくる努力をしたほうがよいと思います」

飲食に関しても、顕著な違いが表れた。飲み会に参加する頻度は高所得者ほど高かった。高所得者はビジネスの延長として会食などの機会が多いからだと考えられる。理央氏も飲み会への参加を推奨する。

「飲み会は意味があるかどうかを意識して参加したほうがいいと思います。たとえば、愚痴や悪口など後ろ向きの発言が多いダラダラ飲み会は絶対にやめるべきです。私の経験からいうと、いい会社ではみな発言が前向き。『いまこういうこと考えているのだけど、どう思う?』『面白いね、一緒にやろうよ』とか。特に外資系は年功序列がないし、流動性も高いから、情報収集などに積極的です。『今度、米国のMBA時代の友達とご飯に行くけど、君も一緒に行く?』など、こういう前向きな話ができる飲み会にはできる限り参加し、新しい風を自分に入れるほうがいいですね。刺激になるし、自分も楽しいですから」