プレゼンは「告白」

プレゼンは、告白です。

想いを伝える場です。どんな告白を受けたら心が揺さぶられるか、イメージしてみてください。ドラマで、下駄箱の横で手紙を渡すシーンをよく見ますが、そんな場面です。告白するほうは、ドキドキして緊張しています。

「つ、つ、つ、付き合ってください!!!」

言葉もつまるし、手紙を渡す手も震えている。でもそこからは、「強い想い」が伝わってくるものです。逆に冷静な顔でこう言われたらどうでしょう?

「あなたは私と付き合うと、いろいろ得をすることが多いですよ。なぜなら私は勉強ができるからです。宿題のお手伝いもできますよ」

お付き合いしたいと思いますか? あまり心が動きませんよね。

プレゼンも同じです。「伝えたい想い」が強いほど、緊張は激しくなります。身体の動きが悪くカチコチになるのは、人並みはずれた強い想いを持っているからなのです。だから、緊張するのは当たり前なのです。そして相手に想いを伝えるためには、緊張していなければいけないのです。

「練習すれば緊張しない」はウソ

プレゼンの目的は、聞いた人が感動して、あなたが正しいと信じる方向に行動を変えること。その目的を達成するためには、緊張をなくすのではなく、緊張を活かすことが大切なのです。

これまでは、「緊張すれば失敗する。緊張は努力で克服するもの」と教えられてきました。

「緊張は悪いもの」と考えられていました。これでは、宝物をわざわざ捨てているようなものですから、緊張を活かせないのは当たり前です。大事な本番にのぞむとき、緊張で悩んでいるあなたは、正しい緊張の活かし方を知らないだけなのです。

「たくさん練習して経験を重ねれば、緊張しなくなる」はウソです。

「緊張を克服するには練習しかありません」というのは、世の中で定番のアドバイスです。

私のもとにも、「練習では上手くできるのに本番で緊張してしまい実力を発揮できない」と悩まれて来られる方が多くいらっしゃいます。

断言しますが、練習しても緊張はなくなりません。グリコに必ずおまけが付いているように、緊張する人にとって、緊張は「プレゼンにもれなく付いてくるもの」だからです。「練習を重ねれば、心臓がドキドキしたり、頭がボーッとなったり、胃が痛くなったりという辛い症状がなくなり、リラックスしながら悠々とプレゼンができる」と思ったとしたら、それは大間違いです。