韓国に好意的な朝日新聞でさえ毅然と批判

1月25日付の朝日新聞の社説は冒頭、こう訴える。

「国防の活動において最も肝要なのは冷静な思考である。この隣国間の不毛なあつれきを、ただちに収束させるべきだ」

「冷静な思考」が大切なことは言うまでもない。双方の関係が最悪の事態に陥る前に日本と韓国が冷静になることである。

続いて朝日社説は指摘する。

「日韓防衛当局間の摩擦が止まらない。海上自衛隊機へのレーダー照射問題に続き、今度は韓国側が新たな抗議を発表した。海自機が韓国の艦艇に繰り返し威嚇飛行をしたとしている」
「日本政府は否定しており、やはり双方の主張は食い違う」

そのうえでこう書く。

「その憂うべき事態のなかでも今回の韓国側の発表は、明らかに穏当さを欠いている。国防相が記者団の前で、海自機への実力行使までをも示唆したのは極めて不用意な発言である」

産経社説のような激しい口調はないものの、韓国に対して「妥当さを欠く」「不用意な発言」とまで批判する。朝日新聞は韓国に好意的な新聞である。その社説が毅然と批判する。それだけ日韓関係が悪化している。

このまま日韓関係が悪化して喜ぶのは北朝鮮

朝日社説はその中盤で主張する。

「両防衛当局はこれまで、北朝鮮問題の緊張が高まるたびに、米軍と共に協力を深めてきた。2016年には、曲折の末に日韓の協力を明文化した軍事情報包括保護協定を結んだ」
「遅々としながらも前進してきた防衛協力を、無為に損ねてはならない。最近の朝鮮半島での緊張緩和を背景に、韓国側で万一、対日協力への関心が薄らいでいるとすれば、未来志向の信頼関係は築けまい」

このまま日韓関係が悪化して喜ぶのは、拉致問題や核・ミサイル開発で厳しい目を向けてくる日本を「なんとか潰したい」と願う北朝鮮だ。北朝鮮は韓国を取り組んで経済制裁を切り抜けようと、虎視眈々と狙っている。

韓国にはそこに気付いてもらいたい。韓国の文大統領に言いたい。「同じ民族だから」と無防備に北朝鮮に近づくのは止めた方がいい。これまで築き上げた日本との外交を根底に添えたうえで北朝鮮と和解して南北統一を実現すべきである。