「相手にお世辞と思わせないためには、ツボを外さず、具体的に褒める必要があります。当てずっぽうな褒め方はしないほうがいいでしょう」(明美ママ)
銀座のクラブは「第2秘書室」といわれるだけに、接待を成功させるにはホステスをはじめクラブのスタッフの協力は不可欠。その役割を熟知しているデキる男は、ホステスの仕事ぶりをよく観察していて、彼女たちを褒めることで、一人前に育てようとする。
「新人の子に『前は水割りの作り方もおぼつかなかったけど、様になってきたね』とか、『きれいになったね。最近髪形を工夫しているね』『会話が上手になったね』と、励みになる言葉をかけてくださるお客さまがいます。そんな言葉を聞くと、『うちの子をずっと見守ってくれていたんだ』と思い、胸が熱くなります。人の成長の過程を褒めてくださる男性は、素敵だなと思いますね」(亜紀ママ)
褒め上手は、相手の関心がどこにあるのかを素早く見抜き、会話の中に同意の言葉をさりげなく織り交ぜながら、人の心を掴んでしまう。それに役立つのが、「銀座さしすせそ話法」だ。明美ママがそっと教えてくれる。
「お客さまが何か話されたら、『さすがです』『知らなかったです』『素敵です』『センスがいいですね』『そうなんですね』と頷き返す決まり言葉が銀座にはあります。こういった言葉を会話の中に挟みこんでいくと、話が転がり、大事な話にも無理なく入っていけます。頷きと相槌は、相手の承認欲求を満たすことができます。上っ面のお世辞はいりません。理解していることを感じさせるひと言で十分です」
亜紀ママ:行動で「褒めへのお返し」
「『似合うと褒められた色の服を着る』など、行動で示せば相手の心をギュッと掴めます」
明美ママ:『銀座さしすせそ』
「『さすがです、知らなかったです、素敵です、センスがいいですね、そうなんですね』という話し手を気持ちよくさせる決まり言葉を、話に織り交ぜていきます」
とうかママ:言い回しで印象づけ
「同じ要素を褒めるにしても、他の方とは違う言い回しをすれば『私から褒められた』ことを印象づけられます」