▼松下幸之助の影響を受けた経営者たち
孫 正義
ソフトバンクグループ会長兼社長

松下幸之助を尊敬し、松下政経塾へ入塾しようとしたことがある。「(松下政経塾は)政治と経済と両方にらみ、世の中全体のことを考えたものだが、僕がやりたいのは、ソフトバンクグループの300年を本気で成長させたいということ。松下さんのほうがより高い次元の塾」。(CNETJapan、2010年7月29日)
青野慶久
サイボウズ社長

M&A(合併・買収)で大きな損失を出して「社長を辞めたい」と思ったとき、松下幸之助の本に救われた。「雷に打たれたようでした『真剣』という言葉を見た瞬間、そうか、私にはこれが足りなかったんだと腑に落ちた」。(日本経済新聞電子版セクション、2017年1月19日)
稲盛和夫
京セラ創業者

松下幸之助の講演を聞き、その思想を経営哲学に取り入れる。「今でもあの時の感動は忘れない。幸之助さんは、経営はまず思うことだ、といったのだと思う。ひたすら思い、力を尽くせば、大概はそのようになる。私の経営の原点だ」。(日経産業新聞、1988年4月8日)
石塚邦雄
三越伊勢丹ホールディングス特別顧問

社長になってから、松下幸之助の本をよく読むようになった。「成功したときは謙虚に『運がよかった』、失敗したら『原因は自分にある』と考えなさいと書いています。反省なくして進歩なしです。とかく『天気が悪かったから』とか他に原因を求めがちですが、たとえ不況でも『やり方しだい』だとクギを刺しています」。(日本経済新聞朝刊、2016年12月4日)
柳井 正
ファーストリテイリング会長兼社長

松下幸之助の本はほとんど読み、著書から経営を学んだと公言している。「幸之助の考えは古今東西、どこでも通じる。最終的には幸之助のように、ビジネスの考え方を誰にでもわかるよう本に残すぐらいにならないといけない」。(朝日新聞、2018年4月18日)

調査概要●2009年から2018年までのプレジデント誌で実施した読者調査(計5000人)に、今回新たに弊誌定期購読者、「プレジデントオンライン」メルマガ会員を対象にした調査(計5000人)を合算し、「読者1万人調査」とした。ランキングのポイント加算にあたっては、読者の1票を1ポイント、経営者・識者の1票は30ポイントとした。経営者・識者ポイントは、弊誌で過去に取材した経営者、識者の「座右の書・おすすめ本」と、今回取材先に実施したアンケートによるもの。続編やシリーズに分散した票は合算(例えば、『ビジョナリー カンパニー』に10票、『ビジョナリー カンパニー2』に20票入った場合は、『ビジョナリー カンパニー』に30票とした)。また、同一著者(例えば、稲盛和夫氏、司馬遼太郎氏、百田尚樹氏)による本は票数の多い書籍を「ランキング入り」としている。結果として、時代の流行などに左右されない良書が多数ランクインできたもようだ。

松本 晃(まつもと・あきら)
RIZAPグループ 代表取締役COO
京都大学大学院修士課程修了後、伊藤忠商事入社。その後、ジョンソン・エンド・ジョンソン、カルビー会長兼CEOなどを経て現職。
 

小宮一慶(こみや・かずよし)
小宮コンサルタンツ 会長CEO
1957年生まれ。京都大学法学部卒業後、銀行勤務などを経て、96年に小宮コンサルタンツを設立。『社長の教科書』など著書多数。
 
(構成=大塚常好 撮影=市来朋久、村上庄吾、榊 智朗 写真=時事通信フォト)
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