設備投資負担を理由に高い料金を求めてきた

今後、NTTドコモは、端末料金と、通信ネットワークの利用料金を切り離す。それは、契約の内容をわかりやすくするということだ。端末料金に関してはユーザーの選択にあった負担を求める。具体的に、中古のスマートフォンでいいと思うのであれば、新品の端末購入にかかる支出は抑えられる。

同時に、同社は通信料金を2~4割程度引き下げる。ICT(情報・コミュニケーションテクノロジー)の高度化とその実用化によって、従来に比べ通信企業の設備投資負担は減少している。従来のように、設備投資負担を理由に高い料金をユーザーに求め続けることが正当化できる環境ではなくなっている。

政府からの要請を受け、NTTドコモは従来の発想を転換し、テクノロジーの向上による投資負担の軽減分などを消費者に還元することを決めた。通信料金はNTTドコモの収益の柱だ。その引き下げを発表したということは、同社が通信料金に代わる収益源を獲得し、成長を目指す決意を表明したことといってよい。

ドコモはどうやって収益源を多様化させていくのか

NTTドコモが収益源を多様化し、これからの成長を目指すためには“イノベーション”を進めなければならない。これまで無かった新しい取り組みを進めて、ユーザーの満足度をさらに高めることが必要になる。

NTTドコモが目指すべきイノベーションとは、ネットワークテクノロジーを駆使し、消費者を中心としたIoTなどのプラットフォーマーとしての競争力を高めることだろう。具体的には、スマートフォンをインターフェイスにして、人々が日常の生活で使う家電などをネットで結んで生活の質を向上させることだ。

たとえば、動画配信サービスの普及によって、映画やスポーツなどのコンテンツは、テレビで見るものとは限らなくなっている。近年では、アマゾンが著名芸能人などを起用して独自のエンターテイメント番組を作成し、ユーザー獲得に努めている。これはテレビ局および製作会社が牛耳ってきた動画視聴の市場が、他の業界に浸み出しているということだ。

NTTドコモに関しても、ダゾーン(DAZN、英パフォームグループのスポーツ動画配信サービス)のライブストリーミングサービスを提供している。また、同社は自社のクレジットカードビジネスである「dカード」の利用履歴データなどを基に、個人の信用力を評価するフィンテック事業にも取り組んでいる。