「恵まれすぎている環境でハングリーさが削られる」
ランクインした企業は誰もが知っている優良企業ばかりである。総じて給与が高く、福利厚生や教育投資や職場環境の良さも抜群。決して不満タラタラで辞めたわけではない。
たとえば1位のグーグルを退職した営業職の男性は、ヴォーカーズの調査にこう答えている。
「あまりに恵まれすぎている環境(食事、オフィス環境、福利厚生など)でハングリーさが削られる。良くも悪くも大企業であり、アップサイド(上昇局面)が少ない」
他にも、次のような声がある。
「(退職するのは)起業するからです。個人的には、それ以外に辞める理由が見つからない会社だと思います」(営業・男性)
「挑戦することをいつのまにか忘れてしまう状態に気づいたため、良くも悪くも居心地がいいので」(管理部門・女性)
「まったく不満はないが、新しいチャレンジが見つかったから」(プロダクトスペシャリスト・男性)
みな前向きな転職理由であり、不満の要素は感じられない。グーグルに限らず、ランクインした会社を退職した社員に共通するのは、自立心が強く、キャリアアップ志向を持っていることである。加えて、彼ら・彼女たちは転職に有利な、いわば市場価値が高い業界の出身者である。つまり、ランクインした企業はステップアップを目指すのにふさわしい知識と経験を与えてくれるということだろう。
「辞めたけど、いい会社だった」と思われやすい業種5
上位にランクしている会社は以下5つの業種に分類できる。
●戦略系・IT系コンサルティング(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ、野村総合研究所など)
●投資銀行(ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券)
●総合商社(三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事)
●マーケティング・営業系(P&G、キーエンス)