Googleマップをカーナビとして利用する人が増えている。モータージャーナリストでカーライフアドバイザーの会田肇さんは「欧米生まれのGoogleマップは日本の道路事情に合わせて設計されていない。すれ違うことのできない細い道を案内したり、複雑な交差点では案内がわかりづらいこともあるので、初心者ドライバーは注意すべきだ」という――。

群を抜く精度・知名度を誇るGoogleマップ

「スマートフォンでカーナビ用アプリは何を使う?」と聞かれて、多くの人が真っ先に挙げるのが「Googleマップ」だろう。Googleマップはそれほど認知率が高く、iPhone/Android端末を問わず使っている人が多いのだ。しかし、Googleマップを使ってみると思いがけないシーンに遭遇して、それに戸惑いを感じた人も少なくないはず。

「Googleマップ」で目的地を検索。充電スポットをはじめ、行きたい場所が即座に探し出せるのが大きな魅力
筆者撮影
「Googleマップ」で目的地を検索。充電スポットをはじめ、行きたい場所が即座に探し出せるのが大きな魅力

そこでGoogleマップの使い勝手を改めて検証し、新たなGoogleマップの使いこなし方を提案してみたい。

GoogleマップはGoogleが提供する、カーナビとしても使用できる地図アプリである。2005年2月にβ版が公開され、同年7月には日本語版の提供を開始した。地図データは、当初はゼンリンから提供を受けていたが、2019年3月にはGoogle独自のデータに差し替えられて現在に至っている。

もともとGoogleは単なる地図だけでなく、360度で周辺を再現する「ストリートビュー」を日本全国で実現するために、そのロケーションを取得する“Googleカー”を走らせていた。これによって提供される地図は、航空(あるいは衛星)写真やストリートマップなど多彩な地図表示機能をサポートするなど、その充実ぶりは多くの地図アプリの中でも群を抜く存在となっている。

Googleマップにはこの多彩な地図表現力を活用して目的地までのルートを案内するカーナビ機能が備えられ、ここには独自に収集した交通情報も反映。ルート上に発生した渋滞にもリアルタイムで対応して回避する。また、交差点ごとの車線ガイドや交差点名の読み上げも行うなど、ルートガイドの基本機能はほぼ網羅されていると言っていいだろう。