Googleマップの弱点

ここまでGoogleマップの優れた点を検証してきたが、一方で泣き所があるのも確かだ。それはカーナビとしてのルート案内機能にある。

その筆頭に挙げられるのが、Googleマップはすれ違うことが難しいような狭い道を案内することが少なくないことだ。そのため、対向車に遭遇するとどちらかが後退せざるを得ない状況もしばしば。ルートを確認してみると、周辺に広い道があるにもかかわらず、無理なショートカットをして案内していることがわかる。特に道幅情報が含まれていたゼンリンの地図データを使わなくなってから、この傾向が強くなった印象を受ける。

筆者の経験でも、中央高速上り線の双葉SAにあるスマートICを目指して国道20号線を走行中、それと並行する県道6号線に突然案内された。案内に従って県道6号線を進んでいくと、今度は旧甲州街道へと案内されてそのまま狭い道をクネクネと通って目的地へとたどり着いた。

あまりに面倒なルートだったので、双葉SAで通ってきたルートを確認してみると、スマートICへは少し遠回りになるものの、狭い道を通らずとも国道20号線から県道6号線を経由するルートで対応できることを発見。他のアプリで同じルートを探索させると、まさにこのルートを案内しているではないか。Googleマップでは、できるだけ最短距離で目的地へ誘導する傾向が強く、それがこの結果を生んでしまったと考えられる。

施設の反対側で案内を終えてしまう

また、Googleマップは各施設の入口情報が含まれていないようで、これが要因で施設の入口の反対側で案内を終えてしまうことがある。そのため、案内を終了した地点から改めて入口を探すことが必要となるのだ。

東京・六本木にある「東京アメリカンクラブ」へ向かった時、目的地を検索して正しく設定しているにもかかわらず、狸穴坂まみあなざか側にあるスタッフ通用口へと案内された。駐車場がある正面玄関を確認して進もうとすると、あいにく狸穴坂は一方通行で、一旦国道1号線へ出てグルッと回り込んで正面玄関へとアプローチするハメに陥った。これは「東京アメリカンクラブ」の入口情報がないために、施設に最も近い道路として狸穴坂側を案内したと考えられる。

最近は大規模施設なら、敷地内までルート案内の対象とすることでこれを防げるようになってきたが、これは一部の施設に限られる。