音声入力対応、トンネル内でも使用可能

Googleマップの優れた能力は、目的地の検索能力でも発揮される。施設名や住所、電話番号といった単純なキーワードに対応するだけでなく、「お腹減った」「この辺に○○ない?」といった、利用者が思いついたキーワードにも機敏に対応するのだ。しかも、目的地が店舗で営業時間が終了間際だったりすれば「間もなく営業時間終了時刻です」と、教えてくれたりもする。

Googleマップで“名物店”を探したが、そこには閉業していることが反映されている
Googleマップより
Googleマップで“名物店”を探したが、そこには閉業していることが反映されている

加えて、この検索はキーワードの手入力だけでなく、音声入力にも対応している。そのため、たとえ運転中でもあっても簡単に設定することが可能。近くのガソリンスタンドやコンビニを探す時や、急にトイレに行きたくなった時でも大いに力を発揮するのだ。

そして、見逃せないのが、Googleマップはトンネルなどに入ってGPS信号をロストした状態でも自車位置を正確に反映できることだ。

トンネル内に分岐点がある首都高速・中央環状線「三宅坂JCT」で、案内ルートに逆らって別ルートに進むと、GPS信号をロストしている状態でも自車位置を切り替えた
Googleマップより
トンネル内に分岐点がある首都高速・都心環状線「三宅坂JCT」で、案内ルートに逆らって別ルートに進むと、GPS信号をロストしている状態でも自車位置を切り替えた

一般的にスマートフォンで使うカーナビ用アプリは測位をGPS信号に頼っており、それ故、トンネルなどの電波の届かないところに入ると測位を停止してしまうか、あるいは動いていたとしてもトンネルに入った時の速度を基に推測走行しているだけとなる。ところがGoogleマップはトンネル内で分岐があっても、クルマの動きにきちんと追従して、正しいルートガイドを示すことができるのだ。

他のナビアプリはトンネル内ではうまく機能しない

これはトンネル内に分岐点がある数少ない場所として知られる、首都高速の都心環状線「三宅坂JCT」での検証結果で判明した。この場所で、カーナビ用アプリの測位能力を検証するために、案内ルートとは別の方向へあえてクルマを走らせてみると、「Appleマップ」「Yahoo!カーナビ」「COCCHi(コッチ)」「moviLink(モビリンク)」は、いずれもこの動きに追従することはできなかったが、Googleマップだけが追従することができたのだ。

あくまで推測だが、これはGoogleマップがスマートフォン内のジャイロセンサーを活用できているからと思われる。アプリ側がスマホ内の機能を使うにはいろいろ制限があるとされるが、Googleマップはこれが実現できているとしか考えられない。いずれにしろ、この実現によって車載ナビに比べて見劣りしていたカーナビ用アプリの測位能力向上につながっていく可能性が出てきたと言えるのかもしれない。