アプリの「合わせ技」で弱点を補う

すべてのアプリがこれに対応しているわけではないが、これに対応しているアプリの一例としては、トヨタが自社のカーナビ技術をベースに開発した「moviLink」と、パイオニアの「COCCHi」がある。

moviLinkはトヨタ車ユーザーでなくても。誰でも無料で使えるというのがポイント。交差点拡大図はすべて表示されるわけではないが、複雑とされる交差点ではCGイラストを使って進行方向を案内する。地図は3D表示で建物を立体的に表現することができ、主要なランドマークは3Dアイコンとして地図上に描かれる。交通情報はVICSと自社プローブで収集したデータが反映され、渋滞回避ももちろん行われる。

トヨタ「moviLink」をVW・ID.4のインフォテイメントシステムで展開。複雑な交差点ではこのCGで周辺を案内する
筆者撮影
トヨタ「moviLink」をVW・ID.4のインフォテイメントシステムで展開。複雑な交差点ではこのCGで周辺を案内する
「moviLink」のスマホ単独で高速道路をルート案内中。高速道路上に施設案内がリスト表示されている
moviLinkより
「moviLink」のスマホ単独で高速道路をルート案内中。高速道路上に施設案内がリスト表示されている
「moviLink」のスマホ単独で一般道をルート案内中。スマホでは分岐点ごとの進行方向がリスト化して案内される
moviLinkより
「moviLink」のスマホ単独で一般道をルート案内中。スマホでは分岐点ごとの進行方向がリスト化して案内される

ディスプレイオーディオとの連携も可能だが、スマホで使っている時に表示される交差点リストは表示されなくなる。それでもわかりやすい音声案内は使っていて心地いい。

「いいとこ取り」で快適なドライブを

COCCHiは有料版と無料版があるが、無料版でもルート案内機能は使え、交通情報もパイオニアが提供する自社プローブ情報が反映される。スマホ上で使うだけなら、無料版で使い始めるのもいいだろう。一方の有料版では、音声案内がより聞きやすい高品質なものになり、駐車場の満空情報やオービス情報がプラスされるほか、交通情報はVICS情報も加えられてより高精度な渋滞回避が可能となる。

パイオニア「COCCHi」を、新型プリウスのインフォテイメントシステム上で展開。スマホとの併用でツインビューが実現できる
筆者撮影
パイオニア「COCCHi」を、新型プリウスのインフォテイメントシステム上で展開。スマホとの併用でツインビューが実現できる
パイオニア「COCCHi」は政令指定都市の一部交差点で、このようなリアルなCGを使って進行方向を誘導できる
筆者撮影
パイオニア「COCCHi」は政令指定都市の一部交差点で、このようなリアルなCGを使って進行方向を誘導できる

ディスプレイオーディオには有料版のみが対応。この時はディスプレイオーディオ側で地図を表示しながら、スマホ側で分岐点リストを同時表示する“ツインディスプレイ”として活用することもできる。

基本的にGoogleマップの能力はハイレベルであることは疑いがない事実だ。しかし、欧米で生まれたマップだけに、ルート案内となれば日本で生まれたカーナビにはわかりやすさで及ばない。ぜひ、両者のいいとこ取りをして、この夏のドライブでカーナビ用アプリを使い倒してほしいと思う。

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