200万円を投下して利回り12%を実現

実際の購入例を見てみよう。物件は、関東地方のある駅から徒歩5分、築25年のワンルームマンションだ。

●家賃収入:月額3万5000円×12カ月=年額42万円(A)
●管理費・修繕積立金・固定資産税・保険の合計:年額15万円(B)
●修繕のためにキープしておく金額:年額3万円(C)
★手取り:(A)-(B)-(C)=年額24万円

※写真はイメージです(写真=iStock.com/bee32)

このワンルームマンションの購入価格は諸費用を含めて約200万円。24万円(手取り)÷200万円(物件価格)×100=12%で運用していることになる(実質利回り)。もし、思わぬ安値で買えた場合は、さらによい利回りになる。沙織さんの所有する物件のなかには、現金払いを条件に100万円未満で買えたことで、利回りが20%を超えているものもあると言う。沙織さんはこう語る。

「今の時代、銀行に200万円を預けても、こんなに利息はつきません。1物件で見れば、実質的な家賃収入は年24万円と小さなものですが、仮に4件所有すれば、年100万円弱の手取り収入が得られます」

どんな物件をどんな基準で選ぶのか、5つのルール

実質利回りを9~20%と高収益を維持している沙織さんだが、物件をどのように購入するのだろうか。購入する物件の基準とルールも明確に決めている。特に以下の5項目は厳守する。

1)借金せず、現金で買える物件(200万円以内)
2)実質利回りが10%を下回らないもの
3)賃貸の需要のある地域であること
4)駅から徒歩15分以内
5)管理費が高額でない

「あくまでも本業は会社員。不動産投資は“趣味”なので、借金をしてまで買うのはNGとするのがマイルール。現金で買えることが大原則です。また“現金ですぐに支払う”というのは、売却を急いでいる人には有効で、思いがけず安く買えることがあります。管理費が高すぎると当然、利回りも下がります。空室リスクを避けるためにも、その地域に賃貸需要があるかどうかを調査しておくことは必須。そのためには、ふだんから雑誌やネットで“住みたい街ランキング”などをチェック。実際にその街に出かけることもあります。さらに駅から遠いと借り手がつきませんから、駅から徒歩15分以内という条件を守ることも重要です」

もちろん、こうした自分なりの基準に合う物件に出合うのは簡単なことではない。だから「at home」「SUUMO」「Yahoo!不動産」「HOME’S」「楽待」といった不動産投資サイトを頻繁にチェックしているそうだ。こうしたサイトを使って物件をリサーチするとともに、「全国地価マップ」のサイトで路線価をチェックすることで、実際の価値よりも安く売りに出されている「お買い得物件」を探すのだ。