ルームサービスの注文で多いのがステーキやトンカツ

シニアからのルームサービスの注文で多いのがステーキやトンカツ。「シニアのラブホテル利用者は肉食」と宮原氏も細田氏も口を揃える。

ラブホテルで楽しい逢瀬の機会がない熟年の独身者にとって、中高年専門のお見合いパーティーは絶好の「出会いの場」といえよう。

年金支給日から10日後、東京・渋谷のホテルで中高年限定の婚活パーティーが開かれた。主催した三幸倶楽部はこうしたパーティーのほかに、カラオケやダンス、ハイキングなど、共通の趣味を通じて交際のきっかけを提供している。入会資格は男性は40歳以上、女性は35歳以上だ。「恋人探し、パートナー探しの会です。3、4年前から、年金を受給し始めた60代後半の団塊世代が急増しました」(三幸倶楽部・越川玄代表)

入会する男女の目的は、パートナーを探すこと。孤独感や老後の生活不安、そして、性の問題があるという。男性の7~8割はセックスにこだわるが、女性はセックス抜きの交際を望む人が多いという。

パーティーに参加した78歳の男性はパートナーを求める胸の内を明かす。

「体が丈夫であれば年を取っても異性を求めますし、会に参加して女性と話ができるだけでもいい。女性とつき合いたくて、渋谷まで1時間30分かけても出てきます」

偶数月の15日は、高齢者のXデー

2018年最初の年金支給日、2月15日の東京・上野の昼下がり。「アメ横」近くのJRガード下を抜ける大通りを曲がった繁華街の路地左手にある年季の入ったビル。白髪が薄くなりかけた初老の男性が、前をゆっくり歩くアベックをすり抜けるように、黒いドアの中に消えた。素人人妻・癒やし系熟女専門を謳う店舗型の風俗店だ。

受付で料金を払い、6畳ほどの待合室に案内されると、40代の会社員風が1人、先ほどの初老の男性と60~70代の客が4人、順番を待っている。年金支給日とあって、やはり高齢者の割合が高い。入り口のドアに貼られた「AED」設置シールが頭に浮かぶ。

個室にはこの手の風俗店には珍しい、バスタブと頭を出して体を入れるスチームバスがある。実はここ、もともとはソープランド。サービスの前後にお風呂につかれるのが高齢者に人気の1つだ。