十三のホテヘル「高齢者では80代の客もいる」

大阪の年金支給日も東京と同じように、年金世代が繁華街やホテル街に姿を見せている。

歓楽街で有名な大阪・十三のお昼前。曇り空の下、老カップルがメガバンクの支店から出てきた。ピンク色のコートを羽織った女性は、両手をジャケットにしまう男性の腕にしがみつく。2人がウキウキと向かった先は十三駅南側のラブホテル街だ。途中何軒か看板の前で立ち止まりながら、最終的に選んだのは白が基調の大人な雰囲気が漂うホテルだった。

平日のこの時間帯にもかかわらず、ほかにも高齢者のカップルがチラホラ。カラフルな帽子で着飾っていたり、年金を下ろしたばかりなのか大事そうに財布を両手で握りしめていたりする。彼ら以外にいるのは、大学の授業をさぼってきたのだろうか、髪の毛の色が明るい20歳前後の学生風の若者ばかりだ。

「やっぱり年金支給日は(客の入りが)違いますよ」と語るのは、十三の熟女ホテヘル(ホテル派遣型風俗)店の店主だ。支給日の偶数月の15日には必ず予約を入れる人もいる。高齢者では80代の客もいるという。

スケベで覚えたタブレットPCの使い方

「週に1回は利用してくれていたそのおじいさんが、あるときから突然こなくなったんで、もしや、と思って心配していたんです。そうしたら2年後にまた戻ってきました。『どうしていたんですか?』と聞いたら、奥様の介護をずっとしていたそうです。『(奥さんが亡くなって)もう49日も過ぎたから解禁や!』と張り切っていましたよ。それ以降また週1でご利用いただいています」(同店店主)

同店店主がお店で働く女性に聞いた話では、「高齢男性は、勃ちは悪くなっていても性癖は若いころのまま。スカートめくりにコスプレ……。女性の体だけ触って“サービス”を受けないことも珍しくない」という。

そのホテヘルでは年金支給日に合わせて、高齢者向けに新聞広告を必ず打っていたが、最近は広告の効果が薄れ始めているという。

「自前のタブレット型パソコンでお店のホームページを開いて『この娘で』と指名するおじいちゃんが増えています。あるおじいちゃんは『スケベのために使い方を覚えた』と話していましたよ」(同店店主)

ちなみに、スマホだと文字が小さすぎるのか、ネットを見て来店する高齢者は、画面の大きいタブレットを持っている人が多いという。