思ったことをすぐ言うと運を手放す
この件に関して、格好の反面教師がいます。
僕がTBS入社当時、なんだか好きじゃないな、ウマが合わないな、と感じていた女性スタッフがいました。その理由がわからないまま10年ほどたったある時、不意にわかったのです。彼女はとにかく、話の腰を折る人でした。
とある番組の打ち上げ中、佐藤君という伝説のダメADの話題が持ち上がりました。あるスタッフが「佐藤と言えば、そうそう、こんなエピソードがあったよなぁ、田中!」と、田中君というスタッフに振り、田中君が話そうとした瞬間、彼女がこう言ったのです。
「あー、佐藤きらーい」
これで話は終わってしまいました……。
こういう人、いますよね。そういう一言が場に出た瞬間、田中君は話しづらくなってしまう。せっかく盛り上がるかもしれなかった佐藤君のダメ話が成立しなくなる。台無しです。
彼女が佐藤君を嫌いなのは、別に構いません。だったら、話を全部聞いてひとしきり一同で大笑いしてから「でも私、佐藤嫌い!」って言えばいいだけのこと。彼女は本心をちゃんと言えるし、その場も確実に大ウケです。
ところが、盛り上がるはずの話題を彼女は平気でぶち壊す。こうして彼女は運をひとつ手放しているわけです。
「褒め」で運を開く
「怒り」の話が出てきたところで、その反対である「褒め」についても見ていきましょう。人気商売である芸能人の方々は人一倍「褒め」に対して敏感です。
番組収録で、ある男性のアイドルが髪の毛を短くしてきました。僕はもちろん気づいていましたが、男同士で「髪の毛短くなりましたね」「かっこいいすね」なんていうのもアレなので、それに触れないで打ち合わせをやって、収録も終えて雑談していたところ、彼から一言。
「角田さん、俺の髪の毛のこと、何にも言わないよね」
女子かよ! と思いましたが、やはりいくつになっても彼はアイドルだなと再認識して、それ以来は気づいたら言うようにしています。