注意したいのは結論部分に複数の要素を持ってこないこと。「今月の売り上げは先月の1.5倍でした。でも、先月の売り上げは先々月の3倍でして……」といろんな要素が入ってくると話がこんがらがってきます。この傾向は「でも」「ただ」などの逆接を会話で多用する方に多い癖です。

優れた進行役は、安心感をつくる

もし身に覚えのある人は頭の中にBOXをイメージして、そこに情報を入れていくといいでしょう。たとえば「会議」というBOXなら「複数人で進行役がいて、何かを決定すること」。「ミーティング」というBOXなら「一対一で進行役がいない場合もあり、決定の材料を話し合うこと」といったように、会議とミーティングを表す情報を整理して入れていく。日常生活の会話からBOXを意識すれば要素が入り交じることもなく、思考フレームの精度も高まってくるでしょう。

一方、会議の質はファシリテーターの手腕も大きく左右します。

後ろ向きの会議を見ると、その多くで参加者が受け身であることに気付きます。主体的でなければならない会議でなぜ受け身になるのか。原因を深ると、会議のルールが曖昧であることにたどり着きます。

何のための会議かわからなければ、発言のしようがありません。さらに会議での役割分担が明確でなければ、事前に何をすればいいかもわからない。あるいは意思決定の方法が多数決なのか誰かの一存で決まるのか、不明瞭といったこともある。もし、最終的に結論が決定者の一存で決まるのであれば、より説得力のある発言をするなど、話す内容も変わってきます。