ダウンロード数は第2位の約6倍と圧倒的

メルカリの国内アプリダウンロード数の推移を見てみると、2013年7月からサービスを開始し、その年の12月時点では100万ダウンロードでした。それから丸3年で国内4000万ダウンロードを達成し、日米合わせて6000万ダウンロードにもなっています。

ダウンロード数では競合他社を圧倒

主要フリマアプリの国内ダウンロード数を比べてみると、メルカリの4000万という数字は断トツで圧倒的です。minne(ミンネ)やFril(フリル)などの先行サービスは1000万ダウンロードにさえ達しておらず、文字通り桁違いの強さを見せています。

積極的なテレビCMと手数料無料で大躍進

メルカリ躍進の要因を分析してみましょう。参入障壁が低く差別化が困難なスマホアプリ市場では、その分野でいち早くユーザーを囲い込んで固定化させたサービスが一人勝ちする傾向があります。

メルカリが顧客獲得のために戦略的に展開したのは、なんといっても多数のテレビCM投下です。特定の商品やユーザーにターゲットを絞らず、全ての消費者をターゲットにしていくようなマーケティングの場合、テレビというのはいまだに非常に効率よく、マスのユーザーに訴求することができるメディアだということが分かります。これは、かつてLINEが集中的なテレビCMで認知度を高め、乱立する無料通話アプリのなかで圧倒的なポジションを築いた手法と同じです。

また、メルカリはサービス開始当初、現在では10%の成約手数料が無料だったため、これも利用者数の増大につながりました。アプリのユーザーインターフェイスがシンプルで使いやすかったということも人気の一因でしょう。こうしたことが相まって、フリマアプリの利用率では79.6%とほぼ独占的なまでに顧客を固定化しています。

フリマ市場はまだまだ成長可能性大

メルカリとヤフオク!の流通総額を比較してみると、メルカリの1200億円に対してヤフオク!は8667億円と7倍以上の規模となっています。前述の通りヤフオク!には業者による出品が数多く入っていますので、純粋なCtoC取引の流通総額とは言えませんが、サービス開始から15年以上の実績を持つヤフオク!の流通総額は、CtoC ECの潜在的な市場規模の1つの目安となります。メルカリはサービス開始からまだ5年目ということを考慮すれば、今後もフリマ市場のさらなる成長が期待できると考えます。

EC市場で事業展開するネット大手の動向では、一次流通(新品・サービスの購入)と二次流通(中古品取引)の連携促進が見られます。メルカリがこの市場で覇権を握り、今後を主導するためには、今押さえている中古品取引という二次流通から、新品購入の一次流通にうまくつなぎ込み事業を広げる仕掛けや、他社との提携による業態拡大を狙うことが課題となってくるでしょう。

大前研一(おおまえ・けんいち)
ビジネス・ブレークスルー大学学長
1943年、北九州生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京工業大学大学院で修士号、マサチューセッツ工科大学大学院で、博士号取得。日立製作所を経て、72年、マッキンゼー&カンパニー入社。同社本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、94年退社。近著に『ロシア・ショック』『サラリーマン「再起動」マニュアル』『大前流 心理経済学』などがある。
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